諏訪大社の神官家 諏訪氏は古代より続く長い歴史を持つ名門武家だ。しかし、例えば東北に多くいたような「鎌倉以来」の名門武家とは少々性質が違う。信濃国(長野県)の諏訪湖、その南と北にある上社(本宮=諏訪市。前宮=茅野市)と下社(春宮・秋宮とも下諏訪町)を合わせていう諏訪大社のうち、上社の大祝(おおほうり)を務めてきた一族(大祝家は神氏とも称した)である。諏訪大社のことは、日本三大奇祭の一つとして数えられる御柱祭で知っている方も多いだろう。なお、大祝というのは諏訪大社や鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)などで用いられる神職の呼び名である。 その出自は諏訪大社の祭神でもある建御名方神の末裔であるとするものから、…