せっかくの到来物は新鮮なうちに、さっさといただいてしまおう。 好物にもかかわらず、めったに里芋を八百屋で買わぬ台所事情については、いく度も書いた。学友大北君のお心遣いのおかげで、珍しいものを口にできる。例により我流ヤマ勘仕立てではあるけれども。 新鮮な里芋の皮を包丁で剥くほど愚かなことはない。台所用のスポンジで剥ける。ただし硬めのスポンジが最適だ。あいにくわが台所には、食器洗い用の柔らかめスポンジしかない。頑固な油汚れを洗う機会などめったにないからだ。鍋底の焦げ煤磨きには、金属タワシを使ってしまう。つまり軟と硬とがあって、中の備えがないのだ。 懸念したとおり、柔らかめスポンジではあまりに捗らな…