印象に残ったことを箇条書きしておきます。ネタバレあり。 「皆勤の徒」がつながっていたのもすごいけど、こちらの作品集では濃密に描写された世界がばらばらに8つも入っていて、1篇終わるごとに次は全く未知の光景が広がる。1日1,2篇ずつ感想を書いてないものも含めてじっくり楽しみました。 ・「環刑錮」は、ミミズめいた異形へと姿を変えられて地中に閉じ込められた状況と、父親へのコンプレックスに囚われた内心とが呼応する一人の男の物語、という初めの罠にまんまと引っ掛かる。 “土中を掘り進んでいたはずが、過ぎ去った日々に戻っている。底なしに堆積したこの土壌こそが記憶なのではないか。だからこれほどまで穢れているので…