訓読 >>> 4381国々(くにぐに)の防人(さきもり)集(つど)ひ船乗りて別るを見ればいともすべなし 4382ふたほがみ悪(あ)しけ人なりあたゆまひ我(わ)がする時に防人に差(さ)す 4383津の国の海の渚(なぎさ)に船装(ふなよそ)ひ立(た)し出(で)も時に母(あも)が目もがも 要旨 >>> 〈4381〉国々の防人が集まって、船に乗り込み、別れていくのを見るとなんともやるせない。 〈4382〉ふたほがみは意地の悪い人だ。急病に苦しんでいる私を防人に指名するなんて。 〈4383〉摂津の国の渚で船出の準備をし、いよいよ出航する時に、母の顔を見たいことだ。 鑑賞 >>> 下野国の防人、作者は、4…