関西の実家を出て久しいが、今でも年に2,3度は帰省している。時間が経っているのもあり、自分が生きていた痕跡らしいものはもうほとんど残っていない。帰っても懐かしむものがあるわけでもなく退屈だったのだが、その日は古い戸棚を目にし、何か自分の知らないもので面白いものがないか探していた。 まずは両親が住宅を購入したときの諸々の資料があった。40年という月日は長いんだか短いんだかよくわからないが、それくらい前の時代でも不動産広告は今からみるとなかなか独特な味わいがある。当時の社会では人口増加が問題だった。今とは正反対である。増え続ける人口に対して住宅地やら学校をいかに供給するかが問題たった。都心は人が埋…