『不愛想』 作:コピ 心の声が聞こえた。「面白い。すごく面白い」確かに聞こえたよ。 通う高校のクラスメイトに、影の薄い女子がいた。病を患っているような青白い肌、細い体が、なんだか怖かった。顔も表情が無いというか、不愛想というか・・・。幼かった彼女がご両親を亡くしていたことは、あとになって知った。根っからのお調子者で、学校でも馬鹿なことをしては皆を笑わせていた僕。不愛想な彼女との接点は無いと思っていた。 「面白い」いつもみたいに馬鹿をやっていると、誰かが囁いた。見渡すけど、皆の笑い声しか存在していないように思える。「面白い。すごく面白い」人垣の向こうのほう。不愛想な彼女のものだ。僕の耳に、彼女の…