解答例 第1 設問1(以下、設問1について、刑法は法名略。) 1 XYZが、共謀の上、Aに対して虚偽の事実を告げ、よって100万円を交付させた行為について、詐欺罪の共同正犯(246条1項)が成立する。 (1) XYZには、共同正犯の客観的構成要件充足性が認められる。 ア 共犯の処罰根拠は、正犯者を介して法益侵害を惹起した点にあり、一部実行全部責任の根拠は、各犯罪者が役割分担を通じて、犯罪達成のために重要な寄与ないし本質的な役割を果たした点にある。そこで、①共犯者間の共謀及び②共謀に基づく実行行為が認められれば、共同正犯の客観的構成要件を充足すると考える。 イ 本件では、X及びYは、Aにそれぞれ…