小学校1年生の担任をしていたときに、全く言うことを聞かない男の子がいた。指導しようとすると、顔を背ける。毎日何かしら叱っていたような気がする。1学期の個別懇談会で母親にはかなり厳しい言い方をした。 しかし、その男の子の一言で見る目が変わり、その子も変わっていった。 生活科の授業でどんぐりゴマで遊ぶために、どんぐりに爪楊枝を刺すための穴を開けていた。そのときである、その男の子が覗き込んで「先生怪我しないでね。心配だよ」と言ってくれた。この言葉は今でも忘れない。その子の優しさに気づくことができた。 それ以来その男の子を見る目が変わった。今までと大きく行動が変わったわけではないのに、叱ることがほとん…