世に知らぬ ここちこそすれ 有明の 月の行方《ゆくへ》を 空にまがへて🌕 「草の原をば」と言った 姫を思い浮かべながら 扇に書いた源氏の歌🌖 〜今までに味わったことのない切ない気持ちがします。 有明の月の行方を途中で見失ってしまって 【第8帖 花宴(はなのえん)】 源氏は胸のとどろくのを覚えた。 どんな方法によって 何女《なにじょ》であるかを知ればよいか、 父の右大臣にその関係を知られて 婿としてたいそうに待遇されるようなことになって、 それでいいことかどうか。 その人の性格も何もまだよく知らないのであるから、 結婚をしてしまうのは危険である、 そうかといってこのまま関係が進展しないことにも堪…