ようやく、ようやく、この世界はとうの昔に終わっている という自覚を以って、日々の日常を生き始めている。 それは、日々の日常を〝眺めている〟ことではない。 世界が始まったと同時に終わったその地点に立って、 日々起こる出来事の中を〝生きている〟のだ。 例えば、会社で大きな失敗をしてしまったとして、 自分の失敗で業務が大変なことになっているのに、 自分には何もわからない、委ねて何もしない、 ただ現れるままに消えてゆくのを見送るだけだ、 もう物語は終わっている、とただ眺めていても、 実際には、何らかの方策を講じ、対処する必要があり、 結果、ただ眺める、という真理と、実際に行動する、 という現実の狭間で…