備後南部、芦田川河口部の港町草戸を拠点とした金融業者。草戸千軒町遺跡から出土した15世紀後半の木簡にその名が見える。 草戸に送られた国衙領年貢 今倉殿の蔵? 参考文献 草戸に送られた国衙領年貢 広島県福山市の草戸千軒町遺跡の15世紀後半の遺構からは、多くの木簡が出土している。その一つに、片面に「こいよりしやうせい」、その裏面に「くしかき五(把)くさいち いまくらとのへまいる」と書かれた木簡がある。 この木簡はその形態から、荷物に添えた付札木簡と考えられる。すなわち「こい」*1という場所から送付した「正税(しょうぜい)」(国衙領からの年貢)に付けられたタグであった。裏面の内容から、送られた国衙領…