中国で発達した文学、または中国語で書かれた文学のこと。
それらの作品や作家を研究する学問のこと。「文学」という語の最も古い用例は『論語』先進篇にあり、孔子が弟子を才能別に4つのタイプに分けた孔門四科(徳行・言語・政事・文学)の一つとしてあげられている。前9世紀ごろの詩を含む「詩経」を最古の作品とし、詩文にすぐれた作品が多いが、元・明代以降は小説や戯曲も発達した。
中国のはなし: ――田舎町で聞いたこと 作者:閻 連科 河出書房新社 Amazon 『中国のはなし-田舎町で聞いたこと』 閻連科著 飯塚容訳を読む。 作者が母の誕生日のパーティーのため、郷里に帰る。宴が終わった後、とある若者が作者に自分の家族の隠された話を囁く。そこから話が始まる。 家族は河南省の田舎の町に住んでいた。中国の改革によりその恩恵を受けたり、商売が当たって金持ちになり、町は新築ブームに沸いていた。ところが、この家族、商売下手な父親は西瓜を売って、母親はマントウを売ってささやかな日銭を稼いでいた。家もみすぼらしい。宅地だけはあるが、いつ新築できるのか予定はまったく立たない。当然のこと…
R読書会 2024.03.02【テキスト】『年月日』閻連科、谷川毅訳(白水社)【参加人数】5名(感想提出1名)※オンラインでなく対面形式でした。 <推薦者:参加者A>とても印象に残っていた本。トウモロコシなど身近なものを登場させ、主人公を苦しめている自然を創り上げているのがすごい。この読書会には自分で作品を書いている方が多いので、参考になるのではと思い、推薦させていただいた。E:いつ頃読まれたんですか?A:3年くらい前です。大江健三郎が「すごい想像力」と評しているのを知って手に取った。素晴らしかった。F:著者の作品で最初に読んだのが『年月日』ですか?A:いいえ。『愉楽』『太陽が死んだ日』も読ん…
今村与志雄訳『唐宋伝奇集』(下)岩波文庫より要約聶隠娘 1.刺客の訓練 2.劉昌裔の護衛として 3.神出鬼没の女侠 メモ
高橋和巳が男子学生から競うように読まれた時代があったなんぞということを、現代の若者はおそらく信じまい。全共闘世代の一部学生にとっては、教祖的魅力をもった作家だった。 最初に『憂鬱なる党派』を読んだ。話題の新刊だったという偶然に過ぎない。党派的政治運動と誠実にあい渉った青年が挫折する噺だ。命の次に大切だと思い詰めてきた原稿を、虚ろな気持で紙飛行機に折って飛ばす末尾の場面が、なんとも哀しかった。 内容のみならず文体までもが、重苦しい作品だった。出世作『悲の器』から入っていれば、いくらかは印象が異なったのかもしれない。雑誌には『日本の悪霊』が連載中だった。これまた部分を読んでも、なにがなんだか解らな…
こんにちは。 ブログ百科ララの杏花です。 身体の不調で少しご無沙汰していますが、何とか元気です。 それにしても関東は暑い、いや熱いです! 梅雨とは名ばかりで連日の猛暑、外へ出ると熱気で焼け焦げそう。 午前8時には室内の温度計が30度をさし、日中の予想は34度~35度にまでなるというのですからたまりません。 でも、その酷暑の中に思い切って飛び込み自転車で20分はある病院へ行ってきました。足腰の不具合であちこち渡り歩いた結果行き着いたK整形外科、ここの先生の人柄がとてもいいんです。 脊柱管狭窄症がもとで、特に右側の足腰が痛む私に温存療法(薬やリハビリ)だけれど丁寧な対応をしてくれるのが分かります。…
ランキング参加中読書 あらいやだ、 有酸素に連続で行けない日が。 その天気変わって… 中国幻想小説傑作集竹田晃 白水社 1990年12月 楽天ブックスで探す Amazonで探す hontoで探す 紀伊國屋書店で探す 図書館で探す by ヨメレバ 不思議な世界観 感想 おわりに おしまい 不思議な世界観 それぞれの国のこういった作品は数多く読んできたつもり(?)です。 以前全集とかも読んでいましたからね。 (こういうことばっかりかつての顔ではやっていました) とりわけこの中国の作品は なんだか知らないけれども不思議で、 時折狂気に満ちているんですよね。 そんな傑作集が、あるのです。 ここにね。 …
五年ほど前、色々な文学全集を渉猟した時期に入手しながら長らく書棚に並べたまま開く機会のなかった、河出書房新社版「現代中国文学」を今般漸く繙いた。 先ず手にしたのはもちろんその第一巻、魯迅の作品を集めたものである。 叢書のタイトルからしても、この巻にこの作家が位置するのは当然と言えよう。 因みに、全十二巻の構成は次の通りである。 第1巻 魯迅第2巻 茅盾第3巻 郭沫若第4巻 老舎・巴金第5巻 丁玲・沈従文第6巻 郁達夫・曹禺第7巻 李劼人第8巻 趙樹理第9巻 曲波第10巻 羅広斌・楊益言第11巻 短篇集第12巻 評論・散文 既に二十一世紀も二十年以上経過した現在においては、これらの作家を「現代中…
★★★☆☆ あらすじ 20年ぶりに故郷に戻り、少年時代のヒーローだった幼馴染と再会する「故郷」など、魯迅の代表的な作品を収めた作品集。 感想 魯迅の主要な作品が並ぶ作品集だ。だがいまいちピンと来ない作品もいくつかあった。ただ、激動の時代の中国で、著者は人々が普段は見せない一面を何度となく見てきたのだろうと想像してしまうような内容のものが多かった。 そんな中で心に残ったのは、著者の代表作でもある「阿Q正伝」だ。皆に馬鹿にされながらも、誰かを見下したり、自分は相手に勝っていると思い込むことで、自尊心を保つ男・阿Qが主人公だ。彼はそうやって生きているのだが、実際は下に見ている相手からも軽視されている…
★★★★☆ あらすじ 高名な科学者の自殺が相次ぎ、科学界に不穏な空気が漂う中、突然訪れた警察に各国の軍や学者からなる会議に連れていかれた科学者の男。 「地球往事」三部作の第一作。 感想 どんなSFが繰り広げられるのだろうかと期待しながら読み始めたら、いきなり過酷な文化大革命の話が始まって面食らってしまった。ただこの時代を語ろうとすれば避けて通れない話題なのだろう。それぐらいこの時代を生きた人たちの人生や考え方に大きな影響を与えている。 これに加えて、相次ぐ科学者の自殺や謎の科学者集団の存在、奇妙なゲームに主人公自身に起きる不可思議な現象と、おかしなトピックばかりが語られてこれらがどのようにつな…
★★★☆☆ あらすじ 中国激動の時代を生きる上海の人々の様子が、三人の男性を通して描かれる。 感想 中国・上海の現在(90年代頃?)と過去(60~70年代)が交互に描かれていく。三人の男がメインとなっているが、全体を貫く物語があるわけではなく、彼らの周辺で起きた数々のエピソードが次々と語られていく形式の物語となっている。まるで皆でテーブルを囲んだ時の会話のように、話題があちこちに移りながら進んでいく。タイトルの「繁花」の通り、話に花が咲いているかのような展開だ。 共産主義体制が確立し、文化大革命が始まりと激動していく上海で、人々がどのように生きてきたかが記されている。それらは政治的でも批判的で…
火天大有 三爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「火天大有(かてんたいゆう)」三爻です。 火天大有 三爻 「火天大有(かてんたいゆう)」の卦辞は、「元亨」おおいにとおる、です。「天火同人」で、本当の仲間とつながり、大いに結果を出すイメージです。上卦が「太陽:火(離)」下卦が「天(乾)」この流れがあり、天の上から太陽が照らすイメージです。さらに尊位である五爻が「陽位」に「陰」で控えめである。ので、周囲を良く治める、ということです。 三爻は「公用亨于天子 小人弗克」こうもって…
曲亭馬琴(滝沢馬琴:滝沢は本名、馬琴はペンネーム。なので正確な筆名は曲亭馬琴。でも本投稿ではよく知られた滝沢馬琴で押し通します/笑)の代表作「南総里見八犬伝」はその名前の通り南房総をメインの舞台にした大長編作品ですが、その冒頭に登場するのが房総半島の西端にある洲崎神社です(当時は神仏習合で「洲崎明神」でしたが)。 振り返るとすぐに浜辺。南国テイストたっぷりな入口。 洲崎神社&養老寺のマップ 後述する役小角を祀った岩屋の説明 この神門をくぐると拝殿へと続く長~い階段が待ち受けております。 でも振り返るとなかなかにいい景色 ↑が拝殿。↓がその裏にある拝殿。色彩のコントラストがなかなかに印象的 「◯…
火天大有 二爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「火天大有(かてんたいゆう)」二爻です。 火天大有 二爻 「火天大有(かてんたいゆう)」の卦辞は、「元亨」おおいにとおる、です。「天火同人」で、本当の仲間とつながり、大いに結果を出すイメージです。上卦が「太陽:火(離)」下卦が「天(乾)」この流れがあり、天の上から太陽が照らすイメージです。さらに尊位である五爻が「陽位」に「陰」で控えめである。ので、周囲を良く治める、ということです。 二爻は「大車以載 有攸往 无咎」たいしゃも…
火天大有 初爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「火天大有(かてんたいゆう)」初爻です。 火天大有 初爻 「火天大有(かてんたいゆう)」の卦辞は、「元亨」おおいにとおる、です。「天火同人」で、本当の仲間とつながり、大いに結果を出すイメージです。上卦が「太陽:火(離)」下卦が「天(乾)」この流れがあり、天の上から太陽が照らすイメージです。さらに尊位である五爻が「陽位」に「陰」で控えめである。ので、周囲を良く治める、ということです。 初爻は「无交害 匪咎 艱則无咎」がいにまじ…
天火同人 上爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「天火同人(てんかどうじん)」上爻です。 天火同人 上爻 「天火同人(てんかどうじん)」は、「天地否(てんちひ)」のふさがりが晴れ、同じ志の人々とつながって行くイメージです。自分の気持ちに向かう人、目標を達成したい人が力を合わしていくことを意味します。大きな目標に思い切って向かうのが宜しいでしょう。 上爻は「同人于郊 悔无」ひとおなじくするにこうにおいてす くいなし。 どういう感じなの? 天火同人は人とつながる卦です、その意…
ゼミのレポートを書き始めてから、気がつけば一か月。 小二の頃から「宿題は帰ったらすぐ済ます派」だった私にとって、課題を後回しにして長期休暇の前半を過ごしたことはアウトローな体験だった。 書くべきことが決まるまではやる気が出ないし、決まったら決まったで「まあ、まだ大丈夫」と謎の余裕が生まれる。進捗は日によってまちまちだったが、提出日まで数日を残して、なぜか急激にレポートは完成した。 「〆切」は、破ったことがない者に対しては絶大な効果を発揮するらしい。 Z会の提出目標日は破りまくっていたのに。自分でも不思議だ。 レポートにかかりきりだったおかげで、休みが終わる絶望感を味わわずに済んだ。 ギリギリま…
天火同人 五爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「天火同人(てんかどうじん)」五爻です。 天火同人 五爻 「天火同人(てんかどうじん)」は、「天地否(てんちひ)」のふさがりが晴れ、同じ志の人々とつながって行くイメージです。自分の気持ちに向かう人、目標を達成したい人が力を合わしていくことを意味します。大きな目標に思い切って向かうのが宜しいでしょう。 五爻は「同人 先號咷而後笑 大師克 相遇」どうじん さきにはごうとうしのちにはわらう たいしかちてあいあう。 どういう感じなの…
中国名文選 (岩波新書 新赤版 1113)作者:興膳 宏岩波書店Amazon数日前に興膳宏*1『中国名文選』を読み始めたのだが、著者が昨年の10月に他界されていたことに気づいた。 『東京新聞』曰く、 興膳宏さん死去 京都大名誉教授、中国文学理論 2023年10月26日 07時40分 興膳宏さん(こうぜん・ひろし=京都大名誉教授、中国文学理論)16日死去、86歳。福岡市出身。葬儀・告別式は近親者で行った。 中国の六朝期の文学などを研究。13年に日本学士院賞。日仏東洋学会会長、京都国立博物館館長を歴任した。文化功労者。 https://www.tokyo-np.co.jp/article/2860…
天火同人 四爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「天火同人(てんかどうじん)」四爻です。 天火同人 四爻 「天火同人(てんかどうじん)」は、「天地否(てんちひ)」のふさがりが晴れ、同じ志の人々とつながって行くイメージです。自分の気持ちに向かう人、目標を達成したい人が力を合わしていくことを意味します。大きな目標に思い切って向かうのが宜しいでしょう。 四爻は「乘其墉 弗克攻 吉」そのかきにのるもせむるあたわず きち。 どういう感じなの? 色々な解釈があるのですが、「城を攻めて…
天火同人 三爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「天火同人(てんかどうじん)」三爻です。 天火同人 三爻 「天火同人(てんかどうじん)」は、「天地否(てんちひ)」のふさがりが晴れ、同じ志の人々とつながって行くイメージです。自分の気持ちに向かう人、目標を達成したい人が力を合わしていくことを意味します。大きな目標に思い切って向かうのが宜しいでしょう。 三爻は「伏戎于莽 升其高陵 三歲不興」つわものをくさむらにふせ そのこうりょうにのぼる さんさいおこらず。 どういう感じなの?…
原題:Where Research Begins: Choosing a Research Project That Matters to You (and the World), University of Chicago Press. 著者:Thomas S. Mullaney 中国史。 著者:Christopher G. Rea 中国文学。 訳者:安原 和見[やすはら・かずみ](1960-) 英日翻訳。 件名:情報活動 NDLC:UA21 NDC:002.7 知識.学問.学術 備考:書名には書かれていないが、人文学系の研究法についての本。 筑摩書房 リサーチのはじめかた ─「きみの問い」…
天火同人 二爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「天火同人(てんかどうじん)」二爻です。 天火同人 二爻 「天火同人(てんかどうじん)」は、「天地否(てんちひ)」のふさがりが晴れ、同じ志の人々とつながって行くイメージです。自分の気持ちに向かう人、目標を達成したい人が力を合わしていくことを意味します。大きな目標に思い切って向かうのが宜しいでしょう。 二爻は「同人于宗 吝」どうじんそうにおいてす りん。 どういう感じなの? 「二爻」は「陰位」に「陰」で位正しいのですが、控えめ…
天火同人 初爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「天火同人(てんかどうじん)」初爻です。 天火同人 初爻 「天火同人(てんかどうじん)」は、「天地否(てんちひ)」のふさがりが晴れ、同じ志の人々とつながって行くイメージです。自分の気持ちに向かう人、目標を達成したい人が力を合わしていくことを意味します。大きな目標に思い切って向かうのが宜しいでしょう。 初爻は「同人于門 无咎」どうじんもんにおいてす とがなし。 どういう感じなの? 問題に対応していた「天地否」の続きですから、外…
天地否 上爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「天地否(てんちひ)」上爻です。 天地否 上爻 「天地否(てんちひ)」は、一般的に良くない卦、と言われます、しかし、「五爻」「上爻」などは簡単に良くない卦、というにはふさわしくありません。良くないのではなく、努力の必要な時、ということも言えるのが「天地否」です。「地天泰」の泰平が終わった後の努力の必要な時、という解釈の方が現実的でしょう。 上爻は「傾否 先否後喜」ひをかたむく さきにはふさがりあとによろこぶ。 どういう感じなの…
天地否 五爻 今回は特別企画「中国文学哲学としての易経三百八十四爻」です。占いではない哲学としての「易経」のお話です。カテゴリーは「易経三百八十四爻」になります。 今回は「天地否(てんちひ)」五爻です。 天地否 五爻 「天地否(てんちひ)」は、一般的に良くない卦、と言われます、しかし、「五爻」「上爻」などは簡単に良くない卦、というにはふさわしくありません。良くないのではなく、努力の必要な時、ということも言えるのが「天地否」です。「地天泰」の泰平が終わった後の努力の必要な時、という解釈の方が現実的でしょう。 五爻は「休否 大人吉 其亡其亡 繫于苞桑」ひをきゅうす たいじんはきち それほろびんとす…