【「床屋」について (2)】
【現場での想い出 (2)】 寺田氏は、実相寺監督は役者を育てなかったとよく語る。
【実相寺監督との出会い (2)】
テレビ『ウルトラマン』(1966)や『怪奇大作戦』(1968)、映画『D坂の殺人事件』(1998)などで知られる実相寺昭雄監督。樋口真嗣監督の映画『シン・ウルトラマン』(2022)に引用されたこともあって実相寺作品がまた注目を集めており、実相寺昭雄研究会が長年に渡って関係者に取材を重ねて制作したドキュメンタリーの労作『実相寺昭雄の世界 -ウルトラマン創作秘話-』(2022)も公開された。
実相寺昭雄監督が撮った『ウルトラマンマックス』(2005)のエピソード(第24話「狙われない街」)は円谷プロの倉庫で撮影され、俳優で怪獣のメンテナンスも行う打出親五が出演している。夕日の差し込むシーンは印象的。
【テレビ黎明期の想い出(2)】 今野氏は、村木良彦らと制作者集団・テレビマンユニオンを創立した。 今野「村木が制作現場から外されてフリーランスになるかって同期の吉川正澄に話したら、ひとりで辞めるより何人かいっしょで集団をつくろうってことで、それでぼくに電話かかってきて入らないかと。ぼくもいいよって言っちゃって。TBSには辞めてくれてよかった人もいただろうけど(笑)。
【実相寺と中国(2)】 中堀「上陸用舟艇で帰ってくるときは畳一畳で6人で寝た。「日本が見えたぞ」ってことで出てきたら、九十九島でいまのオランダ村で、いままでは砂漠だったのに全部緑で箱庭の中みたいだと書いてある。降りるときにDDTを撒かれちゃって、とか。
【佐々木守と実相寺】 今野「『ウルトラマン』(1966)などで実相寺はずっと佐々木守と組んでたんですね。ぼくは佐々木守とは『七人の刑事』(1961〜1969)をやってて、外で犯人追っかけるシーンはフィルムで、取り調べるのはスタジオでした。佐々木守を通じて消息は判ってて、本社で会ったり。彼はフィルムが好きだから、せっかく映画部に行けてチャンスなのに『ウルトラマン』(1966)で、腐ってるんじゃないかと思ったんだけど。
【『おかあさん』の達成(2)】
テレビ草創期からさまざまなドラマ・ドキュメンタリーを演出し、長野オリンピックのプロデューサーを担当したことでも知られる今野勉。最近は『宮澤賢治の真実』(新潮文庫)が圧倒的な調査に基づく素晴らしさだった。