ヨーロッパから伝来した火縄銃。中国明朝の時代、「鳥銃」や「鳥嘴銃」あるいは「鳥槍」と呼称された。鳥を狙撃し得るほどの命中精度を誇るためとも、その形状が鳥の嘴に似るためともいう。のち清朝の時代には、主に「鳥槍」と称された。 明朝への鉄炮伝来 日本製鉄炮との性能差 日本式鉄炮の導入 ヨーロッパの新式鉄炮 17世紀前半の北辺防衛 参考文献 明朝への鉄炮伝来 鄭若曾の『籌海図編』によれば、鳥銃の製法は「西番」(ポルトガル)から伝来したが、当時は精妙に模造できなかったという。1548年(天文十七年)、浙江沖の密貿易拠点である双嶼を明軍が攻撃した際、銃に精通する「番酋」が捕らえられ、彼を通じて鳥銃と火薬の…