父が年齢を重ねて、人生の終わりに近づいてきたと感じたときに、平穏死や自然死に関する書籍を何冊か読みました。誰であろうと、自然な形で逝けるのが理想だと思い、病院で多くの管につながれて終わりを迎えるのは不自然だと思ったからです。 いくつか読んだ本の中で印象に残っている一冊に、中村仁一『大往生したけりゃ医療とかかわるな』(幻冬舎新書、2011年)があります。その中に自然死のしくみについての記述がありました。 自然死の実態は「餓死」「脱水」だそうです。「餓死」「脱水」といえば、非常に悲惨に聞こえますが、空腹なのに食べ物がないとか、のどが渇いているのに水がない、という状態とは異なります。死に際のそれは、…