1946年 福岡生まれ。医師。 ペシャワール会現地代表。1984年、パキスタンのペシャワール・ミッション病院に赴任、不自由な医療環境のもとでの医療活動を始め、ハンセン病を中心としたアフガン難民の診療に携わる。アフガニスタン北東部の三ヶ所の診療所を中心に、山岳無医村での医療活動を続けている。2000年より、大干ばつに見舞われたアフガニスタンでの水源確保のため、灌漑事業を継続して行っている。
医者よ、信念はいらない まず命を救え!―アフガニスタンで「井戸を掘る」医者・中村哲
~ 贈呈 ~ 自分の体験談が 津幡町内の方々の お役にたちますように 祈りをこめて 1996年8月6日 さかいゆきこ ~ ・ ~ ・ ~ 7月10日に小さな図書館が開館してまもなくのことでした。 本を寄贈してもいいでしょうかとやや遠慮がちにお申し出をいただいたのは 新教出版社刊、和賀真也編著『統一協会と文鮮明 青年たちの心理を探る』(1981年1月発行、1994年7月10日第7刷) 本の扉に一字一句、丁寧に書かれた楷書の文字から彼女の想いのほどが伝わってきました。真っすぐで、純粋で、勇気のある方、どこまでも心優しいゆきこさん。 高校、大学進学の多感な時期に統一協会に入信したゆきこさんが、和賀牧…
中村哲氏の著書を3冊読んだ。 「アフガニスタンの診療所から」筑摩書店 「医者よ、信念はいらない まず 命を救え!」羊土社 「医者 用水路を拓く」石風社 読み終えて暫く頭を抱えた。私は現代の世界のことを何も解っていないどころか、大きな間違った認識をしている。以下直接これらの著書から、アフガニスタやタリバンについて中村氏が書いていることを引用する。 タリバン政権があっという間に倒れる。自由だ解放だと日本でも伝えられましたけれども、私が見る限り確かに「自由」にはなった。でもその自由とは何かというと、タリバン時代はほとんど消滅しておったケシが盛大に復活しました。麻薬をつくる自由。逼迫した女性が売春をす…
5月16日付の東京新聞に最近“舌”好調の元総理の発言の一覧がありました。「核共有」「防衛費倍増」「日銀は子会社」…安倍元首相の相次ぐ持論発信に党内から戸惑いの声:東京新聞 TOKYO Web時系列で並べかえ、今月分を加えるなど、若干手直しすると、 ① 2月27日、フジテレビの番組で、 核の共有 ② 4月 3日、山口市の講演で、 敵の中枢攻撃 ③ 4月14日、派閥の会合で、 国債で防衛費 ④ 4月21日、都内のシンポジウムで、防衛費の倍増GDP2% ⑤ 5月 9日、大分市の講演で、 日銀は政府の子会社 ⑥ 5月17日、派閥の会合で、 新型コロナを2類から5類へ マス・メディアが寵児扱いして何を言…
医者なのに井戸を掘ってる人、 そんな人がいるのかぁ、なんで? はじめてこの人を知ってから、どんどん引き込まれました。 その人とは、中村哲さんです。 その後、テレビのドキュメント番組を見て、ますますはまってしまいました。 アフガニスタンの砂漠に用水路を引いて、緑の大地をよみがえらせた光景を画面でみたときは、ジーンときました。 それ以来、親しみを込めて「こんなオジサンになりたい」と、勝手にロールモデルとして注目していました。 まさか、かの地で殺害されてしまうとは。襲撃され死亡のニュースはショックでした。 最近、新刊の『武器ではなく命の水をおくりたい 中村哲医師の生き方』を読んだので、 ワタシの周り…
アフガニスタンのことを読みました:加藤登紀子著『哲さんの声が聞こえる』 気候変動による気温の上昇で、春から夏の山の雪どけが、一気に進んでしまい、洪水となり、あっというまに雪が消えてしまう。 もともとの広い穀倉地帯は、干ばつが続き、砂漠となり 農民も遊牧民も、暮らせなくなってしまった。 仕事を失った人々は、タリバンやISなどの傭兵になる。 過激派組織と呼ばれる人々も、気候変動の犠牲者なのだと、知りました。 寒くなってまいりました。 パディントンとミミーは、冬のおしゃれを楽しんでおります。 (ナホ)
中村哲さんが亡くなった2019年12月4日から2年。今年3月20日に川崎市国際交流協会が主催した「地球市民講座」で、中村さんと親しかったという前駐日アフガニスタン特命全権大使のバシール・モハバット氏が行った講演の抄録を読んだ。部分引用を許されたい。https://www.kian.or.jp/pdf/news/153-2107/02-03.pdf 中村先生は長年にわたり、医療支援をはじめ、農業支援、そして灌漑事業を通し、砂漠だった土地を緑豊かな土地に変えてくださいました。 中村先生は「100の診療所より一本の用水路を」と訴え、干ばつの悪化により、水不足・栄養失調・感染症に苦しむアフガニスタンの…
毎週土曜日に掲載されている朝日新聞書評欄から、気になったものをピックアップして掲載しています。毎週、幅広いジャンルが紹介されていますが、あくまでも私自身が「気になる」という視点で選んでいます。読書リスト的なページです。 今週は広告欄からピックアップしました。 わたしは「セロ弾きゴーシュ」中村哲が本当に伝えたかったこと:中村哲 わたしは「セロ弾きのゴーシュ」 中村哲が本当に伝えたかったこと 作者:中村 哲 NHK出版 Amazon この広告が出る前日だったかな?報道番組で中村氏のことを取り上げていて、亡くなった時のことを思い出していた。別のことをしながら話を断片的に聞いていたのだけれど、中村氏の…
この土地で「なぜ20年も働いてきたのか。その原動力は何か」と、しばしば人に尋ねられます。人類愛というのも面映いし、道楽だと呼ぶのは余りにも露悪的だし、自分にさしたる信念や宗教的信仰がある訳でもありません。良く分からないのです。でも返答に窮したときに思い出すのは、賢治の「セロ弾きのゴーシュ」の話です。セロの練習という、自分のやりたいことがあるのに、次々と動物たちが現れて邪魔をする。仕方なく相手しているうちに、とうとう演奏会の日になってしまう。てっきり楽長に叱られると思ったら、意外にも賞賛を受ける。 私の20年間も同様でした。(中村哲『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」』NHK出版、2021) おはよ…
選「アメリカ 同時多発テロ 〜ホワイトハウス 知られざる戦いSP〜」 2001年9月11日。アメリカ・ニューヨークを襲った同時多発テロ。あのとき、アメリカの中枢ホワイトハウスでは、どんな情報が飛び交い、人々はどう動いたのか?全貌を描くスペシャル版。避難マニュアルがなく、エリート政治家たちが混乱を極める中で、30年以上ホワイトハウスの執事長を務めてきた「生き字引」の男が取った対応とは?そしてブッシュ大統領の苦悩とは?スタッフたちが証言する9.11、知られざる物語。9月11日(土)午後3:29ほか www.nhk.jp BSプレミアム国旗 911 テロ 自由の女神 アメリカ合衆国 USA 星条旗 …
亡くなられた中村哲医師が、国際貢献と憲法9条について書いた「アフガニスタンで考える」というブックレットを読んだ。 このブックレットの冒頭、中村哲医師は『アフガニスタンと国際貢献、そして憲法九条。これらが一体どう結びつくのか、と思われる方もいらっしゃると思います。あるいは、国際貢献なら話はわかるが、なぜそこで憲法九条が出てくるのだ、と思われるかもしれません。ですが、国際貢献のために自衛隊の海外活動が徐々に拡大してきた中で、私達のようにアフガニスタンで日々活動していると、日本という国のスタンスと憲法9条とがいかに深く関わっているかを、痛切に感じざるを得ないのです。実際、私たちが日本に帰ってきて危惧…
シルバーバーチの霊訓、七を読んでいます。 その中に、(あなたは、恐怖心に打ち勝つように、説いています。でも、爆弾投下の中では 無理。) (確かに、そうでしょう、でも、そんなときこそ試金石でも、あります。)と答えています。 先の大戦で、アメリカは、なんとしても、伊勢神宮を、焼き尽くすべく、それこそ大量の 爆弾を投下した。外宮さんは焼けたものの、内宮さんを、焼くことはできなかったそう。 その時、神官が、内宮さんの屋根の上にいたという。あの焼夷弾は、神宮の屋根に刺さるそうで、刺さる度に、抜いては、外へ投げたという。 中村 哲さんのお婆さん、万さんも、同様にして家を守ったという。 中村さんも、洪水のな…
夏休みの宿題で、読書感想文は憂うつです。 よく、本を嫌いにさせるなら、読書感想文を書かせろ、というぐらい、だから、ほんとにいや。 以下のやり方なら、サッと 書ける。 コンクールで、入賞は狙えないと想う。 でも、手早いという、取り柄だけはあるはず。 まず、サッと読める本を選ぶ。少し、古いけど、中学生日記、とか、在日魂、高校生なら、ルワンダ中央銀行総裁日記。 アフガニスタンで、井戸や、用水路、建築をした、中村哲さんの、絵本も、早い。(カカ、ムラドという本です。) 絵本は、サッと読めて、含蓄、深い。 絵巻平家物語 ホルプ出版も絵本仕立てで、 一冊なら、15分で読める。 読むのに、一日以上掛かるのは、…
【2022】12冊 #真相をお話しします/結城真一郎 超短編!大どんでん返し/小学館文庫編集部編 ラブホの上野さんの恋愛相談/上野 愛じゃないならこれは何/斜線堂有紀 ルビンの壺が割れた/宿野かほる 落下する夕方/江國香織 うちの子が結婚しないので/垣谷美雨 世界最高の話し方/岡本純子 深夜特急2 マレー半島・シンガポール/沢木耕太郎 羽生善治のみるみる強くなる将棋入門 序盤の指し方 乳と卵/川上未映子 深夜特急1 香港・マカオ/沢木耕太郎 【2021】23冊 銃/中村文則 そういうふうにできている/さくらももこ コンビニ人間/村田沙耶香 ジョン万次郎 海を渡ったサムライ魂/マーギー・プロイス…
2021年9月、アフガニスタン情勢について調べたことを、20個くらいに分けた記事にしました このときの脱出方法に関する7つの記事を除き、残りを1記事にまとめます 1 誰がタリバンを生んだのか? 2 アメリカ軍がアフガニスタンを撤退した理由 (1)軍人・退役軍人のメンタルヘルス (2)米国の納税者の関心低下と負担軽減 (3)米国の対中政策の強硬化 (4)アフガニスタンの恩知らず、あるいは腐敗 (5)アフリカのマリ(Mali)も似ている 3 中国 4 日本 (1)邦人救護 (2)協力者救護 5 アフガニスタンの女性問題 6 アフガニスタンの男性 7 エンターテイナーの受難 8 中東アフリカ地域 (…
ちょっと一段落したので、ようやく「蓮實重彦セレクション 二十一世紀のジョン・フォード Part 1」通いの時間をはじめる。とはいっても、たぶん数本くらいしかみられないだろう。 まだすごしてもいない時間がどんどん過ぎていくのを感じるようで、ぞっとする。 ポレポレ東中野ではじまった中村哲医師にかんするドキュメンタリー映像をまとめた谷津賢二監督の映画『劇場版 荒野に希望の灯をともす』は、世界を憂うことばかりの心に、じっさい灯をともすような映画だった。数々の文章を石橋蓮司さんの声がしっかりと書きつけるようで、中村さんの声が、その声を通してこちらに届き、心に迫った。谷津監督のカメラが、長い時を辿り、動か…
『ハワイマレー沖海戰』(東宝映画1942:山本嘉次郎)を、国立映画アーカイブ2F 長瀬記念ホールOZUにて見る。6月24日(金)から始まった「東宝の90年 モダンと革新の映画史(1)」の1本。310円。ハワイマレー沖海戰(116分・35mm・白黒) 海軍省の後援により東宝が製作した太平洋戦争開戦1周年記念の大作。国策映画として、海軍飛行兵に志願した義一(伊東)が厳しい訓練のすえパイロットとして出陣するという物語を軸としている。ハワイ真珠湾の米軍艦隊への奇襲とマレー半島沖での英軍艦隊への攻撃を再現した特殊技術班は円谷英二が率いており、後の東宝特撮部門の基盤となった。 以上、国立映画アーカイブの解…
先日紹介した、中村哲先生の生き方を描く映画『荒野に希望の灯をともす』を観てきた。 日本電波ニュース社からDVDで発売されている 1000時間もの素材をどんな編集で見せるのかと期待していったが、中村先生の「言葉」を前面に立てて、彼の思想を伝えようという意図を感じた。その言葉の一つ一つが実に重い。しかも何かを突き抜けたような清新さ、透明感も感じられる。 印象的だったのは、末期の脳腫瘍で余命1年と宣告された次男のそばにいてやりたい気持ちを振り切って、自分が必要とされているアフガニスタンで活動する中村さんの心境。 次男が10歳で亡くなった翌日。「翌朝、庭を眺めると、冬枯れの木立に一本、小春日和の陽光を…
区役所移転を止める決起集会が開催された。会場あふれるほどの参加で、区議は、無所属議員2人、前区議2人、共産党区議4人の8人が参加した。杉並区や三鷹市での取り組みが紹介され、今後に生かすべきことも明らかになったし、何よりも元気をもらうことができた。区は12月議会に庁舎の移転条例を提出しようとしているが、それを阻止する幅広い運動が必要になってきている。 ] 日中は時間がとれたので映画鑑賞。最初は中村哲医師の映画を予定していたが、満席で急きょ、本日の赤旗でも紹介されていた「アウシュビッツのチャンピオン」に変更。久しぶりの映画。
安倍の国葬はどう考えてもおかしい、ということで反対の声が高まっている。色々な記事を見てみると。まずは前川さんのコラム。 東京新聞のコラムでは皆反対している。 22日には国会前で反対デモがあった。 東大の学生も反対。官僚になる前はまともなんだ。 そして、 こうした声を挙げたらきりがない。 ネット署名は、私が反対に賛同した時点で75000を超えていた。今頃10万超えているかも。 と同時に、旧統一教会の実態と自民党との金目当ての協力関係。自民党は票稼ぎの道具としていた。などなどが明らかにされてきている。 にもかかわらず、犬HKのクロ現では桑子がそういうことを曖昧に濁しているとか。 政党で国葬反対とは…
晴。 毎朝早くから蝉時雨。これとカワトンボの存在が、生き物によるわたしの「夏」という感覚だ。 いま、いちばんおもしろく観ているテレビ番組は、NHK BS の「キャッチ!世界のトップニュース」だ。といっても特別に観ているわけでなく、昼ごはんを食べながら 11:30~11:45 の15分間くらいを何となく眺めているだけなのだが、いろいろと細かく神経が払われており、キャスターのレヴェルも高くて、観ていて心がシャキッとする感じ。内容は世界のニュース番組の抜粋にすぎない、といえばそうなのだが、アメリカの話題をスペインのニュースで、インドの話題をシンガポールのニュースでという風の選択であったり、また、日本…
3時半頃に目が醒め、トイレ。 6時半過ぎに起床。コーヒーをちょっとだけ飲んで、7時に散歩に出た。晴れていて、暑かった。 しっかり汗をかいて、帰ってきて、洗濯物干し。 ラジオを聴きながら、朝ご飯を食べた。 YouTuneで動画を視聴。 11時過ぎに軽く昼ご飯を食べ、11時15分頃にうちを出た。駅前の駐輪場に着くと、「空」。最後の1スペースだった。 11時50分過ぎにポレポレ東中野に着いた。 まだ時間があったので、アイスコーヒーを飲んだ。 12時5分頃に劇場へ。満席だった。 谷津賢二監督のドキュメンタリー映画『荒野に希望の灯をともす 医師・中村哲 現地活動35年の奇跡』は、一部はNHKのドキュメン…
世界的なパンデミックの煽りを受け、日本を発てずして2年と4ヵ月。日本で生きるためには働かなければならず、また自分の将来に対しての漠然とした不安もありながら、トライしてはエラーの繰り返し。大きな挫折感を味わうことも幾度かありました。 しかし、浮沈の激しいこの2年4ヵ月での大きなターニングポイントは、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の難民支援活動のための資金調達をするファンドレイザーとしての仕事を始めてからだったように思います。 私自身は社会人時代から慣れ親しんだ愛知県に住み、中部地方の管轄にて、愛知県、静岡県、岐阜県、三重県、長野県の法人や個人の"難民を助けたい気持ち"のある方から支援を賜…
◎手元にある朝日新聞の7月22日の「いま聞くinterview」のコラムは国連アフガニスタン支援団元代表の山本忠通(1950年生)氏のインタビュー記事。「アフガニスタンで、イスラム主義勢力タリバンが復権してから1年がたつ」現地の問題点を聞いています。 丁度先週、「ペシャワール会報 No.152(7月6日付)」が届きました。ともすれば世界の有力国の考え方を良しとしかねない日本人ですが、さすが中村哲氏が現地第一で活動されていたペシャワール会、地に足の着いた考え方に教えられます。現地の具体的な様子も報告されていますので、村上優会長の報告を書き移してみます:(文中の下線や太字、色字、囲いの見出し by…
ジャーナリストの佐藤和孝氏の著書。今までチェチェンやシリア、アフガニスタン等、世界の紛争地帯を取材しているベテラン。中でもアフガニスタンの地域はほとんど訪れている。 シーア派やスンニ派、宗教の対立やらパシュトゥン人とハザラ人の民族間の対立。アフガニスタンはとても複雑。敵討ちの文化がある。そこにアメリカや西側の介入があったたらもっと混乱するのは当たり前。中村哲氏のような現地の習慣や文化に溶け込んでくれる人がもっと必要なのだ。 世界の紛争地帯や戦争が起こっている場所では日々、子供や女性が無実の市民が死んでいる。不合理なめに遭っている人たちの姿を伝えるのがジャーナリストの仕事だ。本当に命懸けなのだ。…