新編 宮沢賢治詩集 (角川文庫) 作者:宮沢 賢治,中村 稔 KADOKAWA Amazon 遂に一つの山、「永訣の朝」まできた。さすがにここは何となくだが感じ取れるものがある。死んでいく妹を看取る様を表した詩。悲哀が美しい。 僕の父が亡くなる前夜のことを思い出した。家で突然倒れた父は、救急車で最寄りの病院に運ばれ、僕が駆け付けると酸素吸入器をつけてベッドに横たわっていた。父の手を握ると「んんー!」とみたいな大きな唸り声が聞こえ、「まだここでは死なんぞ」と言わんばかりの心意気が伝わってきた。でも、翌日に死んだ。あっけなかった。 母も歳だ(七十七歳)。母より若い人がばんばん死んでいる。今のところ…