「木霊」と書いて「こだま」と読むわけだが、本展で並んでいる作品こそはまさしく「木」の「霊」ではないかと思った。 木を削り、その表面に描く、或いは一木から彫刻する。 元々埋まったり隠れたりしていたものを作者が透視して掘り出したのではないかと、そんな思いすら持つ精霊の数々。 あるものは大きく、あるものは小さく、眼をつむり見開き口を閉じ、口を開け、あくまでも自然体にそこに在る。 このきりきりした空気の世間の中で、この空間だけが妙に緩やかだ。 会期は~10月10日(日) まで。