宗教学者・人類学者。思想家。1950年、山梨県生まれ。中央大学総合政策学部教授を経て、現在、多摩美術大学美術学部教授・芸術人類学研究所所長。
大学院修士卒業後、チベットでチベット仏教の修行をした。 チベット密教とフランス構造主義を関連づけて論じ、80年代ニューアカブームの寵児となる。 「聖なるもの」といった宗教の理解に関しては定評がある。
20210317 夕方 網野善彦という歴史学者について、今さら何を書く必要があるのか? という問いがあるかもしれません。私は、必要があると考えます。いまだ言われていないことがありますから。 この文章自体は、網野さんの死を受けて、たぶん十五年近く前に書いたもので、発表の機会がないままでした。こうして、見ず知らずの方々に見て頂けるチャンスが出来て、心から嬉しく思っています。 さて、ここでは、西洋中世史の阿部謹也さんと並び、日本中世史研究を大きく超えて一般書もたくさん残した「網野史学」の評価そのものには触れず(歴史学者ならぬ我が身には全く手に余ることです)、ただ読書体験としての「網野本」の面白さ、そ…
2月14日日曜日の「Eテレプレーバック」で僕にとっては懐かしい「YOU」という番組を取り上げていた。1984年6月9日放送の「『YOU』100回記念 気分はもう21世紀人」の再放送である。 冒頭で現在の糸井重里が語る。 「探せば面白いことあるよね、っていうのが一番大きなテーマだったんじゃないでしょうかね。だから元手もかからないし、キョロキョロと見回したら自分たちの身の周りにとっても面白いことがあるよね。で、それは主に人が持ってくるものですよね。人間が面白いっていうのは一番大きいのかなあ。」 そして1回目からの多彩なゲストがコメントする様子が流される。しっかしこの当時の糸井重里はとてもとても早口…
【中沢新一『人類最古の哲学 カイエ・ソバージュⅠ』講談社選書メチエ,2002】 〇過去記事はこちら (第1回:神話の時代) https://d-m-corocoro-studio.hatenablog.jp/entry/livre/cahier_sauvage/1-01(第2回:コノハナサクヤヒメの物語) https://d-m-corocoro-studio.hatenablog.jp/entry/livre/cahier_sauvage/1-02 こと: コノハナサクヤヒメ、からのー、もう一話! インドネシアのポソ族に伝わる神話、、、バナナと石!しま: バナナ? そういえばぼくね、バナナの…
【中沢新一『人類最古の哲学 カイエ・ソバージュⅠ』講談社選書メチエ,2002】 〇過去記事はこちら (第1回:神話の時代) https://d-m-corocoro-studio.hatenablog.jp/entry/livre/cahier_sauvage/1-01 しま: お昼ご飯にな、唐辛子の輪切りみたいなやつが入った焼きそば食べてん。 辛ウマでめっちゃおいしかったんやけどね、空気中のピリ辛成分にむせてしまって、 ゴホゴホやってたら、そのあと何故か鼻がすごく痛くなって・・・鼻をかんだら、唐辛子が出てきた。こと: それを最初に言いたかったの?しま: うん。こと: そっか。しま: うん。こ…
【中沢新一『人類最古の哲学 カイエ・ソバージュⅠ』講談社選書メチエ,2002】 こと: きょうは、中沢新一さんの「人類最古の哲学」のお話をするよ!この本は、全5冊からなる『カイエ・ソバージュ』シリーズの第一冊目。とてつもない名著だよ!! しま: 人類最古の哲学、、カイエ・ソバージュ、、中沢新一さん?中二病のひとなんやね。単語のパワーがすごくて内容が全然想像できひんけど、これおもしろいん? こと:中二とか言うな!その筋ではとても有名な人なんや・・・。カイエソバージュは、「Ⅰ:人類最古の哲学」からはじまり、「Ⅱ:熊から王へ」「Ⅲ:愛と経済のロゴス」「Ⅳ:神の発明」「Ⅴ:対称性人類学」と続くよ。一連…
クマケア先生のブログ記事から、 博物館学芸員コースの 学内実習が例年の内容で 実施されると知りました。 先生はご参加されるそうです。9月末から10月、 暑からず寒からず、 秋のいちばん良い時期です。 ベストシーズンにおける 奈良大学学内での実習は コロナ禍のこの時期、 千載一遇のチャンスだと。 今や貴重なリアルな奈良、 是非とも 堪能していただきたいです。クマケア先生仰るように、 来年はどうなるか、わからないので。 私個人の見解ですが、 高温多湿の影響を否定できない 現況での新型コロナ・ウィルス、 冬場には猛威を盛り返すのでは、と。 学び舎において、勉学以外のこと、 つまり考えなくていいことは…
ξ 時々ワタシがウォーキングをする遊歩道の、木陰のベンチに並んで座り、赤い「本麒麟」を開けている老夫婦を見かけた。 こういういくらかくたびれた感じのする老夫婦を見るのは嫌いではない。 もう十分生き切った二人が残余の人生を慈しんでいる時間のようにもみえるし 必需品にも事欠く節約だけの日々の憂さを二人並んで僅かでも晴らそうとしているようにもみえる。 でき得れば前者でありたいと思う。 振り返ればワタシなりに手抜きらしい手抜きもせず、損はたくさんしても、真正面から生きてきたと言えそうな気もするし あとは自分が生きているうちに争い決着しておくものがまだ3つくらいはある、その始末だけが残った重要な仕事だと…
週刊文春 2021年7月8日号[雑誌]作者:伊集院静,恩田陸,林真理子,三木谷浩史,杉本昌隆,みうらじゅん,町山智浩,宮藤官九郎,能町みね子,貴志祐介,土屋賢二,柳家喬太郎,益田ミリ,東海林さだお,平松洋子,宇垣美里文藝春秋Amazon たまたま先週の木曜日休みを取った。いつも仕事帰りのコンビニで買う習慣だったので、うっかり先週の週刊文春を買い忘れていた。何と、小林信彦の連載がこの号で終わるそうだ。 これで、来週から週刊文春を買うかどうか迷わなきゃならない。坪内祐三と福田和也の対談が終わった後、週刊SPA!も結局いつの間にか買わなくなったし、中沢新一のアースダイバー終了とともに週刊現代も買わな…
前に下書きした内容の修正版です。 レンマ学を軽く読んだので、 中沢新一氏「レンマ学」「レンマ」とは何か? 哲学者山内得立が著書『ロゴスとレンマ』で提出した概念によっています。「ロゴス」は「自分の前に集められた事物を並べて整理する」ことを意味しています。その本質は時間軸にしたがう線形性にあります。それに対し、「レンマ」は「直観によって事物をまるごと把握する」という意味です。 ウィキペディアによると直観と直感は違うようです。 直観(ちょっかん、英語: Intuition)とは、知識の持ち主が熟知している知の領域で持つ、推論、類推など論理操作を差し挾まない直接的かつ即時的な認識の形式である。 筆者の…
Source Image: https://bit.ly/3ypOsKT スマートニュース株式会社(東京都渋谷区、 代表取締役:鈴木健)は7月2日、 新型コロナワクチンの職域接種を開始します。 従業員や取引先企業など関係者だけでなく、 渋谷区民や渋谷区就業者の方などの接種を同時に受け入れ、 5000名規模で職域接種を実施します。 飯山陽:当局を騙して社員の20倍のワクチンを入手し「炊き出し精神」で「全国初の職域接種で一般の方に接種」しますとか宣伝しているスマートニュースという会社、元手ゼロの転売屋のようだ。この人たちは一般人の味方などではない。他者の不利益など顧みず自らの宣伝のために権利を濫用…
#オエカキクラブ hashtag on Twitter のイラストを描いてみました。 テーマはバカンス、夏休み タイトル「ヤドカリちゃんのバカンス」透明水彩 ウォーターフォード水彩紙 ヤドカリ - Wikipedia 海岸での観察においては、目につく場所で動いている貝はほとんどがヤドカリ入りである。ヤドカリは常に「住宅難」に晒されている。一般に生物の個体数は、限定要因と呼ばれる、その生物が必要とする諸条件のうち最も限られた資源の量によって決まると言われる。ヤドカリにとって限定要因になっているのが食物などではなく、巣として使える殻であると考えられる証拠がいくつか知られている。 へー。生物って多く…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 琉球の縄文人は、現代の琉球人と日本民族にとって共通の祖先である。 ・ ・ ・ 2021年7月1日号 週刊新潮「Book ノンフィクション 評者 角幡唯介 『アースダイバー 神社編』 中沢新一 講談社 歴史を解読し、紡がれる 原日本人の壮大な物語 この本は思考の力で精神の始原(しげん)を探求してきた中沢人類学のひとつの総決算ではないだろうか。本書をめくりながら、私は地図をもたずに日高山脈を登ったときのことを思い出していた。地図がないということは、この先に山があるのかも不明、という極端…
日本初のハンス・ヨナスの入門書。1988年生まれの若手の研究者が「未来への責任」という哲学的テーゼを、ヨナスの著作からの引用を豊富にちりばめながら、理解しやすく展開してくれた著作。非常に丁寧に、興味を持てるように、目配りをきかせながらヨナスの思想を伝えてくれている良書。今現在アマゾンのレビューは四件あって、すべて星五つの高評価。個人的にはヨナスの「未来への責任」を哲学的に基礎づけるという堅固な歩みを教えてくれたことが一番大きい。今現在と未来へ向けての参考という点からいうと、斉藤幸平の『人新世の「資本論」』などとあわせて読んだら、著者の気質のちがいなども感じながら評価できて良いのではないかと思う…
次なる難題は「月出里」です。 謂われに諸説あり、よくわからないためスルーしてきました。 ただ、「紀(き)の国」の先住民を考えようとするなら素通りできません。 とりあえず、情報を整理確認するため、足を運ぶことにしました。 『常陸国風土記』筑波郡(つくはのこほり) 古老の曰へらく、筑波の県(あがた)は、古(いにしへ)、紀の国と謂(い)ひき。 美万貴(みまき)の天皇(すめらみこと)の世(=崇神天皇の御代)、采女臣(うねめのおみ)の友属(ともがら)、 筑簞命(つくはのみこと)を紀の国の国造(くにのみやつこ)に遣はしし時、筑簞命の曰(い)ひしく、 「身(わ)が名をば国に着けて、後の代に流伝(つた)へしめ…
→次の記事 ジャン=フランソワ・リオタールの『ポスト・モダンの条件 知・社会・言語ゲーム』(1979年)の邦訳を読んでみようと思う。というのも、ポスト・トゥルースなる語が流行するに至り、ポストモダン思想に対する注目が高まっているからである(例えば、『現代思想』の2021年6月号はポストモダン特集だった)。また、「ポストモダンは価値相対主義である」という通俗的な理解、特にTwitter上でよく見かける見解の当否について考える上でも、リオタールを読むことは避けては通れまいと判断した。※同書はカナダのケベック州大学協議会に提出された報告書を基にしているようで、そのせいかフランス現代思想特有の難解さが…
毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。「今が旬のAクラスに属する逸品」といえるおすすめ品です。書評の内容については各誌をご覧ください。 先日、こんなツイートを目にした。◆佐藤一光@kazzuaki最悪な話を聞いた。ある民間法人の図書館閉鎖で5000冊の本が捨てられるという。社内決済で廃棄決定。せめて中古市場に流せばと思えど、社印が押してあるからリスク管理上ダメとの決定。国会図書館にもない希少本有りと司書さんの愚痴。8割の図書館で本は廃棄と。本を大切にしない国に未来はない。 希少本でなくとも廃棄されるのはもったいない話だ。同じ本や雑誌や図鑑を何度も何度も読み返していた…
<ラヴァーズ・レーンの猿> ・アメリカに現れたという怪物。フロリダ州エルファーズ近くのラヴァーズレーンにて、4人の若者たちが車を止めていると、チンパンジーのような姿をした何かが車に飛び乗ってきた。その体色は緑がかっており、瞳もまた緑色に光っていたという。 ジョン・A・キール著『不思議現象ファイル』によれば、この猿のような怪物は1966年に現れたという。 <リンカーン大統領の幽霊> ・アメリカで語られる怪異。アメリカ合衆国第17代大統領エイブラハム・リンカーンは、幽霊の目撃談が多いことでも知られている。1865年の暗殺で命を奪われて以来、リンカーンはワシントンのホワイトハウスの様々な場所に現れる…
折口さんの小説そのものは、近く読んでみたい気がします。 が、しかし、この手頃な短さでコンパクトにまとめてくれている100de名著シリーズの中でも、相当難しい部類に入る小説のようです。 20歳の藤原南家(なんけ)の郎女(いらつめ)という今に生きる人と、既に亡くなっている大津皇子(みこ)が滋賀津彦という名前で登場する故人との間の、恋愛、そして鎮魂がセットになって物語が紡がれています。 冒頭で、志賀津彦が、死の直前に見て一目ぼれした耳面刀自(みみものとじ)のことをフラッシュバックして思い出す、ところから始まります。 私が驚いたのは、学生時代に感じたこと、指導教授に質問をしたことが、瓜二つのように描か…
星野源『創造』 ♨️いや~、これ凄かったですよね...... youtu.be 👼星野源『創造』ですね。「スーパーマリオブラザーズ」の35周年に合わせたタイアップソングであり、まさに星野源の創造力がいかんなく発揮された素晴らしい楽曲です。彼の思想が伺える歌詞にも注目が集まっていましたね。 ♨️本作の 歌詞の全文は本人の公式ホームページから読むことができますが、今回とくに注目したいのは以下の部分です。 何か創り出そうぜ 非常識の提案誰もいない場所から 直接に独(いち)を創り出そうぜ そうさYELLOW MAGIC色褪せぬ 遊びを繰り返して まずこの歌詞からはっきりとわかるのは、0から1を産み出す…
Key Words:文学と植物のかかわり,法華経,烏瓜,ケンタウル祭,区分キメラ,縞模様,真実(ほんとう),接木,融合 賢治は,童話『銀河鉄道の夜』で,「もみ」や「楢」の枝で包まれた街燈,紫色の「ケール」や「アスパラガス」が植えられている空き箱,電気会社の前の6本の「プラタヌス」の木や星空に浮かぶ「ポプラ」のように,光に透かされた縦の「縞模様」をイメージ出きるものを「ケンタウルス」や「人魚」などの「キメラ」やそれに類したもの(ジョバンニの家)と重ねながら繰り返し登場させてきた。なぜ賢治は,これほど「烏瓜のあかり」に象徴される光に透かされた縦の「縞模様」や「キメラ」に拘るのだろうか。 理解しがた…
小学校だか中学校だかで習う日本の歴史は、縄文時代から始まる。 その後に稲作が導入されて弥生時代になる、というような感じだ。 縄文時代というのは今から1万年以上も前のことだが、今でもその痕跡は、注意深く観察すれば日常的に目にしたり触れたりしているそこかしこに見出すことができる。というのが『アースダイバー』のコンセプトだった。 それは激しくわたくしの興味を惹きつけ、『アースダイバー』シリーズおよび関連する書籍を読み耽り、また実際にあちこちのフィールドワークに出て行ってみたりもしたものだ。 そして今回、『アースダイバー 神社編』が出た。神社は、アースダイビング的に極めて重要だ。神社編すなわち決定版と…