中絶えば かごとや負ふと 危ふさに 縹《はなだ》の帯は とりてだに見ず 〜もし、あなたと源典侍の仲が絶えたら、 私に帯を取られたせいだと恨み言を言われたりしないかと心配なので この縹色(はなだいろ)の帯に手を触れることもしませんし 関係もありません。 【第7帖 紅葉賀 もみじのが🍁】 帯は中将の物であった。 自分のよりは少し色が濃いようであると、 源氏が昨夜の直衣に合わせて見ている時に、 直衣の袖《そで》がなくなっているのに気がついた。 なんというはずかしいことだろう、 女をあさる人になればこんなことが始終あるのであろうと 源氏は反省した。 頭中将の宿直所のほうから、 何よりもまずこれをお綴《…