明治から大正、そして昭和の戦後まもなくまで、この大文豪は生きたわけです。 漱石や鴎外に比べれば、長生きして大きな歴史の動きを見聞きした。 その著作は実に興味深い。漢学の素養は超一流でしたが、とりわけ道教や神仙道に深く傾倒するものがあったようです。 そのあたりの経緯を中谷宇一郎(あの物理学者で随筆家)が解読してくれいている。 中谷が東洋思想に寄り添う姿勢を見せ、その機縁が露伴の書籍であったのですわ! 水に対してひとかたならぬ興味があったことは幸田文が書き残してくれています。 彼女によれば掃除もひとつの修行とみなしていた気配がある。「あとみよそわか」というまじないを父である露伴が語ったそうです。 …