通天閣本通商店会を歩いていると、マドンナの『Like a Virgin』が流れてきた。場末のスピーカーから漏れる旋律が、この街の匂いと不思議に調和する。新世界は祭りのような場所だ。初夏は愛染娘が主役を張り、串かつは恋の導火線。70を超える串かつ屋がひしめくこの地で、もっとも有名なのが「だるま」だ。 だるまの歴史は昭和4年(1929年)、屋号を「たこ菱」として始まった。高価だった牛肉を庶民にも味わってほしい。そんな思いで牛肉を串に刺し、衣をまとわせて油に落とした。それが串かつのはじまりだった。創業当初は牛串とじゃがいもの二種類だけ。値段は1本1銭。そこから物語は始まった。 新世界総本店は、通天閣…