映画女優。1931年東京生まれ。
東宝第一期のニューフェイス出身。旧侯爵家の姫君が、映画入りというので、大変なスキャンダルになったという。デビューは、47年の「四つの恋の物語」清潔な美貌と、華奢な身体で人気は上昇し、50年の「また逢う日まで」で、その人気を決定。
その後51年、東宝を退社して大映入社。ここで成瀬巳喜男の名作「あに・いもうと」と、田中絹代の第1回監督作品「恋文」に出演。冷ややかな美しさと、堅実な演技力で印象深い姿を残した。
夫は平田昭彦で、おしどり夫婦ぶりは人も羨むほどであった。
1959年の小津安二郎監督作品「お早う」 お正月は松竹の小津映画「お早よう」で 昭和も今も変わらぬ人間関係のいろいろ バッハの対位法のようにキチっときまる伏線 きら星のごとくの俳優陣 お正月は松竹の小津映画「お早よう」で 明けましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 といってもおせち料理もないウチでは、お正月らしいことは何もしていない。 私は子ども時代からおせち料理が苦手だった。 冷たいし、甘いし(スィーツで甘いのはOK)、ごはんと一緒に食べないし、お餅はのどに詰まりそうだし。 いつかおせち料理を食べなくてもすむようにと願っていたあの頃を思うと、今は願いが叶ったとも…
2023年は小津安二郎監督(1903-1963)の生誕120年、没後60年にあたる記念すべき年だ。Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下りでは「小津安二郎 :モダン・ストーリーズ selected by ル・シネマ」と題した特集上映が組まれ、NHKBSでもこの12月は小津作品がいくつか放映されている。 今回取り上げる映画『お早よう』(1959)もNHKBSPで12月19日(火)に放映される(13:00~14:35)。 『彼岸花』(1958)で、第一回カラー作品を手掛けた小津が次に取り上げたのは、小津のサイレント期の名作『生まれてはみたけれど』(1932)のリメイクだった。 とはいえ、作風は少々…
有馬稲子プロフィール 終戦後に命からがら釜山から引き揚げ 東宝の専属女優へ 岸恵子と久我美子の導きで松竹へ移籍する 自らの企画作がついに成功!演技賞も受賞! 舞台やTVドラマにも進出 劇団民藝で演技を学ぶ ライフワーク「はなれ瞽女おりん」に出会う 現在はケア付きマンションで生活するも… 有馬稲子プロフィール 有馬稲子は1932年4月3日 大阪府豊能郡池田町(現・池田市)に生まれた 本名は中西盛子 父がコミュニストだったため官憲に追われ 釜山と大阪を行ったり来たりという 幼少期は転々とした生活を送る 釜山在住時は義母が日本舞踊を教えて 生計を立てて、自身も踊りや三味線を覚える (5歳のころ) 終…
★★★☆☆ あらすじ 京都で女手一つで遊郭を営む女は、東京の大学にやるも恋に破れ、自殺未遂を起こした娘を連れ帰ってくる。 感想 若い医師に思いを寄せる遊郭の女将である主人公と、それを知らず同じように医師に惹かれてしまう家業を疎ましく思う娘の愛憎入りまじった関係が描かれる。ただ最初は田中絹代演じる主人公がかなり年配に見えるので、若い医師との関係を見定めるのが難しかった。 それらしい雰囲気を漂わせてはいるのだが、恋愛関係が成立する歳の差なのか?と判断しかねて落ち着かない。だが演じていた役者の当時の実年齢を調べると、主人公演じる田中絹代が四十代半ばで娘役の久我美子は二十代半ば、そして医師役の大谷友右…
★★★★☆ あらすじ 結婚直後に出張先の金沢で消息を絶った夫を探す新婚の妻。 www.youtube.com 感想 序盤に主人公の夫が出張に出かけた後、この夫婦がどのように結婚に至ったのか、お見合い、結婚式の様子などを簡潔に描いてみせる構成は、テンポが良くて小気味よかった。この映画はこの後も時々時系列を巻き戻しながら、無駄なくリズム良くシーンをつないでいくので、ダレることなく見ることが出来た。 そしてストーリーも意外な展開を見せる。映画の核心かと思われた夫の消息は中盤で早くも明らかになり、その後はなぜそのような結末となったのか、その経緯に関心が移っていく。そしてそこで見えてくるのは、必死で生き…
★★★★☆ あらすじ 人畜無害の税務署署員は、人が良すぎるゆえに不正をしてしまうが、開き直って世の悪事を暴こうとする。 感想 冒頭は、「日本新名所」として戦後日本で見られるようになった光景を小ネタを挟んで紹介していく。このまま最後までこんな調子かと少し不安になったが、そんな事はなく、その後本編が始まり安心した。そして、この冒頭の短いシーンのつなぎ合わせが、本編の伏線になっていて上手い構成だ。 しかし、取り扱っているテーマが政治の腐敗や貧困、人口増、原爆と、かなり社会派だ。それをかなりきつめの笑いを取り入れて描いていてちょっと感心してしまった。今でも、なのか、今また、なのか分からないが、政治の腐…
【『冬の雲』(2)】 飯島「(『冬の雲』〈1971〉の)1回目の本読みが終わった後の稽古場で、木下(木下惠介)さんが「飯島くん、相談がある。あの人、どうしても違うんだけど」って。それが早川保さん。お詫びして降りていただいて、その代わり別の番組に出ていただいたけど。お酒飲むと「木下惠介のバカヤロー」って。早川さんのタイトル見ると思い出すね。
1955年小林正樹監督作品。最近やっとポツリポツリと小林正樹監督のものをみているけれど、かなり好きかも。これは戦後10年後の若者たちと、親世代、祖父母世代の物語。その葛藤やら相手を思う心やらは今でも変わらない。また中学時代の友人が社会に出てそれぞれ思うところあって・・という「リアリティ・バイツ」な感じも永遠のテーマだ。 久我美子とおばあさんが営んでいる花屋さんが、起点になって出てくるのだけど、戦後、まだまだ若い犠牲者も身近にいた人が多い中、花の命や次世代での再生、みたいな話も伴奏のように描かれていて堪能した。 佐田啓二がドラマー役で、「嵐を呼ぶ男」みたいなシーンがあるのだけど、こっちのほうが早…
フランス・ボルドーの赤ワイン「ル・プティ・クルセル・レ・コパン(LE PETIT COURSELLE LES COP(A)INS) フランス・ボルドーの家族経営のワインメーカー、マリー・エ・シルヴィー・クルセルが手がけるプティ・クルセル・シリーズの1本。 メルロ、カベルネ・フラン、シラーをブレンド。 果実味とほどよい酸味のバランスが取れたワイン。 ワインの友で観たのは、民放のBSで放送していた日本映画「張り込み」。 1958年1月公開の作品。 監督・野村芳太郎、脚本・橋本忍、音楽・黛敏郎、出演・大木実、宮口精二、高峰秀子、田村高廣、高千穂ひづる、松本克平、藤原釜足、浦辺粂子、多々良純ほか。 高…
以上、『結婚期』(クレインズ・クラブ=東宝1954:井上梅次)より きょう4月3日は、有馬稲子さんの誕生日です。1932年生まれの92歳になりました。おめでとうございます。大阪府豊能郡池田町(現・池田市)生まれ。朝鮮・釜山育ち。釜山第一小学校から、釜山高等女学校へ入学。1945年10月に引き揚げ、大阪市天王寺区に住む。府立夕陽ケ丘高等女学校へ転入。1948年3月、新制に切り替わった夕陽ケ丘高等女学校併設中学校を卒業。 宝塚音楽学校を受験し、合格。1949年4月、予科1年を終了して本科に進むと同時に、宝塚歌劇団に加わり花組に編入、有馬稲子を芸名とする。 1951年、『宝塚夫人』(綜芸プロ=東宝1…
かんばしくない天気が続き、模型作製が停滞ぎみ。 LED組み込んでモナカ状態の左右を合体させるトコロまで進んだものの……。 ポカポカ陽射し浴びながら縁側に座り、隙間埋めのパテの削り出しや塗装を行いたいワケだけど、晴天日少なく進行遅延。 な次第もあって、べつだん平家の盛衰に興味があったワケでもないけども、映画全盛期の作品ゆえに今では撮影不可能なシーンも多々あろうと、工作中断させ、DVD買って眺めるんだった。 予想的中。晩年作とはいえ大道具小道具にリアルを求める溝口健二。アチャコチャのシーンでうならされた。 巨大セットに大勢のヒト ま~、イノイチバンにうなったのは雷蔵の太くて濃い眉毛で、平清盛という…
www.shochiku-tokyu.co.jp『黒い河』(1956)、『好人好日』(1961)などの松山善三監督による作品。 大正時代のハワイを舞台に、井上家を初めとした日本人移民たちが苦境に遭いながらも生きていく日々が描かれます。 日本人移民たちの数年間の生活がリアルに描かれているのが見どころ。日本人移民家族たちの絆や戦争による苦悩などを見せています。放送情報山河あり BS260 BS松竹東急 2024/3/26(水) 17:30-20:00作品概要1962/日本 上映時間127分スタッフ 監督 松山善三 製作 月森仙之助 脚本 久板栄二郎 松山善三 撮影 楠田浩之 美術 戸田重昌 編集 …
お早よう ニューデジタルリマスター 佐田啓二 Amazon ★★★★ 多摩川沿いの新興住宅地。林民子(三宅邦子)は町内会の会計をしているが、会長の妻・原口きく江(杉村春子)は会費を受け取っていないという。原口家では洗濯機を買ったばかりだった。林家の長男・実(設楽幸嗣)と次男・勇(島津雅彦)は、大相撲中継を見るため隣人の家に上がりこんでいる。2人はテレビが欲しかった。また、無職の青年・福井平一郎(佐田啓二)は子供たちに英語を教えており、会社員の有田節子(久我美子)といい仲である。 『三丁目の夕日』【Amazon】とほぼ同年代を扱っている。当時は高度経済成長期の入口に差し掛かり、洗濯機・冷蔵庫・白…
独立プロ名画特選 にごりえ [DVD] 久我美子 Amazon 樋口一葉の「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」の三作品をオムニバス風にまとめたもの。 最後に入っていた「にごりえ」が一番長く力がはいっていたが、「大つごもり」も「十三夜」もいい話。 「にごりえ」の淡島千景の素晴らしさにはっとなる。今まで「自由学校」*1での元気すぎる姿、「夫婦善哉」*2で苦労女房が過ぎる姿などを目にしてきたが、これは彼女の魅力がちょうどいい按配に発揮されている。客あしらい、店での振る舞いもちゃんと心得た頭のいい、店の看板酌婦お力。気前もよくてジェントルマンの山村聡と馴染みになるが、忘れられないのは。。という滋味ある…
彼岸花 ニューデジタルリマスター版 佐分利信 Amazon ★★★ 会社重役の平山渉(佐分利信)には婚期を迎えた長女・節子(有馬稲子)がいた。娘の幸せを願う平山は見合い話を用意するが、娘は知らないうちに別の男とデキていた。それに怒った平山は娘と男の結婚を認めず、あろうことか娘を軟禁してしまう。一方、平山の同期・三上周吉(笠智衆)にも年頃の娘・文子(久我美子)がいるが、彼女は家を出て男と同棲していた。 小津安二郎初のカラー映画である。撮影にあたっては赤の発色のいいフィルムを使っているらしく、劇中にも赤を多く登場させている。タイトルの「彼岸花」はそこから来ているようだ。モノクロのときは和室が貧乏臭…
青春残酷物語 デジタル修復版 桑野みゆき Amazon ★★★ 不良少女の真琴(桑野みゆき)が中年男にホテルに連れ込まれそうになる。そこを大学生の清(川津祐介)が助ける。それをきっかけにして真琴と清はいい仲になる。清は真琴を使って美人局をすることに。同時に真琴の妊娠が発覚する。 松竹ヌーヴェルヴァーグの嚆矢となった映画である。 60年安保闘争を背景にしているところが目を引いた。また、韓国の四月革命も引用されている。当時は世界的に政治の季節だったわけだ。若者は青春の怒りを政治にぶつけていたのである。ところが、彼らの運動も完膚なきまでに叩き潰された。こと日本において市民運動が成功した試しはない。日…
監督 木村恵吾 脚本 成澤昌茂 木村恵吾 出演 京マチ子 志村喬 根上淳 久我美子 加東大介 北林谷栄 藤原釜足 利根はる恵 高品格 アマゾンプライムビデオより どこかの自民党県連主催の懇親会でのセクシー衣装のダンサーが話題のようですが、 京マチ子も負けずにセクシーでした♪♪ 保険会社に勤める堀江(志村喬)は学歴はないが勤勉で部長までになった男。社員が会社の金を使い込み、行方不明となり堀江は彼が夢中になったというダンサーがいるという。その後、舘林に300万円の集金から帰り、浅草で降りた堀江は思い立ち、そのダンサー、エミー(京マチ子)がいるというレビューの楽屋と訪ねる。 彼の行方を訊くがそんな男…
ゼンゼン終わらないブルースカイを アステアはシルエットだけ? 鉛筆でタイトルが書きこまれています AMERICAN MOVIE WEEKLY B5サイズ、挟み込み(糊、ホッチキスなし) 8ページ(表紙含む) 発行編集印刷者: 米田喜一 発行所:株式会社新世界出版社 表紙を開いたら、広告全開の仕様 ミネラル、ビタミンだけでは飽き足らず肝臓エキス(ってなんだ)も加えた ミネビタール 年輪付きのゆで卵みたいなイラストは何イメージ? 左ページの解説は、これまで記事にしたプレスシート、プログラムと同文 ヒースラー監督の紹介文はピカデリー版と同じ 下部には、ロージーのマンボならぬ「マムボ・イタリアーノ」 …
「ジャングル・ブギー」と言えば、クール・アンド・ザ・ギャングと言いたくなる世代のジジイです。 だいたい、クール・アンド・ザ・ギャングって何?と言いたいあなた、ここにあなたのためにYouTube動画を貼り付けておこうかと、いらんことを考えましたが、YouTube覗いた時に、検索してみて下さいとだけ申し上げておきます。 クール・アンド・ザ・ギャングの方は本題ではありませんもので。 で、今日のNHK朝ドラ「ブギウギ」で、服部良一、じゃ無かった草彅剛演じる羽鳥善一が、突然「降りてきた」と叫んで作曲してしまった「ジャングル・ブギー」を福来スズ子が歌うのですが、こっちのジャングル・ブギーは、ぼくの生まれる…
1月21日 誕生日の全国35万人の皆さん、おめでとうございます (拙句)大寒を過ぎて雨さへあたたかき 雅舟 【花】 オンシジウム(ラン科) 【花言葉】 可憐【短歌】 ひらひらと飛び立つものの気配ありオンシジウムよ夜明けの窓辺 黄色いチョウたちが群れ飛んでいるようなかわいいランです。夜中におもちゃが動き出すように、夜明けにはオンシジウムがひらひらと飛んでいくような気がするのです。 【季語】 大寒 雪 吹雪 【俳句】大寒の一戸もかくれなき故郷 飯田龍太 雪はげし抱かれて息のつまりしこと 橋本多佳子 たましひの繭となるまで吹雪きけり 斎藤 玄 【万葉歌】大和には 群山あれど とりよろふ 天の香具山 …
小説というものには作者の生まれ育った地域の影響が少なからず出ているように思います。そこで北海道に住んだことのある作家を一覧にしてみました。受賞歴や映像化、漫画家された馴染みのある作品を中心に紹介したいと思います。(50音順) ア行 朝倉 かすみ(あさくら かすみ) 主な受賞歴 東 直己(あづま なおみ) 主な受賞歴 映画化作品 安部公房 (あべ こうぼう) 主な受賞歴 映画化作品 荒巻 義雄(あらまき よしお) 主な受賞歴 漫画化作品 有島武郎(ありしま たけお) 映画化作品 おすすめ作品 池澤 夏樹(いけざわ なつき) 主な受賞歴 石塚 喜久三(いしづか きくぞう) 主な受賞歴 石原 慎太郎…
君美わしく―戦後日本映画女優讃 (文春文庫) 作者:川本 三郎 文藝春秋 Amazon 『君美しく 戦後日本映画女優讃』川本三郎著を読む。 東京オリンピック以前の東京。それは、二度と戻ることのできない昭和の東京の原風景がある。アメリカ人にとってベトナム戦争前のアメリカが旧き佳き時代だったように。「明治は遠くなりにけり」という言葉をもじって言うならば「昭和は遠くなりにけり」である。筆者の川本三郎は、そこに執拗なまでにこだわる。名作や名画の舞台となったかつての面影を忍ばせる、あるいは跡形もなく消えてしまった東京の下町界隈をぶらっと訪ねては、蕎麦屋でざるとビールを注文したり、銭湯に入ったりして追体験…
大河ドラマに便乗?平安時代を描いた作品を紹介 おおまかなストーリー この映画の時代背景 映画の感想 ➀セットの豪華さ・衣装の華やかさ ②養子縁組に出された雷蔵さんの実人生と重なる ③庶民の身なりから格差社会だったことが伺える この映画のエピソード ➀原作は吉川英治の連載小説 ②溝口監督が徹底的に雷蔵さんをしごいた ③雷蔵さんが語る「新・平家物語」 大河ドラマに便乗?平安時代を描いた作品を紹介 あの『源氏物語』の作者・紫式部を 主人公にしたNHK大河ドラマ「光る君へ」の 放送が始まりましたね ということで当ブログも便乗?して 平安時代を描いた時代劇映画を シリーズで紹介することにしました その第…