古事記にあって、もっともよく知られひろく親しまれているのは、因幡の白兎 (稲葉之素菟) のくだりに違いない。 淤岐島から今まさに気多の前に渡り終えようとしたときに、兎は鰐を怒らせてしまい毛皮を剝がれてしまう。そこに八上比賣 (八神姫) に求婚するために通りかかった八十神たち。兎は八十神に教わったままに、海水を浴びて風に当たっていたが、やがて海水が乾くにつれて皮膚がひび割れ、痛みのあまり泣きだしてしまう。 ■淤岐島は隠岐の島?■ 島根半島の50キロ北方に位置する隠岐の島とする説が有力。しかし、同じ古事記の国生みのくだりには淡路島、四国と国生みしたあとに、隠伎の三つ子の島を生んだ、と隠岐の島のこと…