ワーグナーの「ニーベルングの指輪」。何を描いているのかとても興味があった。しかし、この長大なオペラをまさか全部見ることはないだろうと思い、20年ぐらい前に図書館で本を見つけて4巻読んだ。 あらすじはおおよそ理解したけれど、これをオペラにしたワーグナーの深い思いは多分感じられなかったと思う。 20年前と比べると、今の私は、「第九」など大規模合唱も経験して、多声の歌による表現(歌詞とメロディーと和声の組み合わせ)に興味が湧き、オペラを生で観たり、MET(ニューヨークのメトロポリタン歌劇場)のライブビュー―イング映画を映画館で観て楽しむようになった。 斬新なロベール・ルパージュ氏の演出による「ニーベ…