-冬眠から目覚める頃-別れの時と新たな出会いへの期待 二十四節季では今日から『啓蟄』の節季に入る。江戸時代に著された『暦便覧』で「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されているとおり、土の中で冬眠していた生物、山菜、春野菜……、世に出る時期を密かに伺っていたものすべてのものが地上、つまり、世に出てくる季節である。 春という季節が秘めているエネルギーが、バックヤードで出番を待っていたすべての生物に活力を吹きかけてくれる。新たな芽吹きもあれば復活するものもある。一夜にして景色が変わるようなこともあるだろう。 ところで、『啓蟄』の節季は別れの時でもある。卒業式、人事異動。それは何…