誰でもよかった 作者:五十嵐貴久 幻冬舎 Amazon 久々に手にした五十嵐貴久氏の作品。通り魔殺人鬼と警察の交渉人との「戦い」を描いたサスペンス。 冒頭は無差別殺人犯高橋のモノローグから始まる。このモノローグと犯行の描写が実在の秋葉原無差別殺人事件の犯人の姿を彷彿とさせる。この作品内の舞台は渋谷のスクランブル交差点。生活の様々なことに不満を募らせた高橋はレンタカーの軽トラで歩行者の群れに突っ込み、車に轢かれて倒れている人々に次々ナイフで襲いかかり11人を殺戮する。 殺戮のシーンに関しては被害者側からの視点で描かれており、被害者の恐怖感や突然命を奪われたり、怪我を負わされたりした不条理感とでも…