中学生のころだったか高校だったか、鉄砲伝来について教科書でこう習いました。 種子島に漂着したポルトガル人が日本に鉄砲を伝えた。 正確な文面まで記憶にありませんが、この部分だけ妙に記憶に残っているのは、子ども向け冒険譚の一節のような空気を嗅いだからです。大人になってから、ふと「砂浜に漂着したガラス瓶に外国語の手紙が入っていました」みたいな調子で、本当に歴史が動いたの?.....と思ってしまうのも確か。 * * 石見銀山(島根県・跡地は世界遺産)を差配していた城主が夜襲で滅んだ時、額に深い刀傷を負いながら助けられた幼い若君・三島清十郎。その半生を描いたのが「五峰の鷹」(安部龍太郎、小学館)です。 …