江戸・東京市民の楽しみ(昭和時代)251戦況を知らぬ市民のレジャー・昭和十七年夏 とうとう、全国中等学校野球大会が中止となる。前年の太平洋戦争突入から敵国映画の放映禁止、野球はユニホームにローマ字を使えないなど、国粋的な風潮を進めてきた。さて、野球(拳闘など)はどこのスポーツか、良く考えてみると、野球は敵国のスポーツではないだろうかと不思議に思う人はいなかったのであろう。国民に人気のある活動は、容易に禁止できないことがわかっていたので、適当な対応をしている。 たとえば、海水浴もそうで、「鍛練」と名を変え、遊びであっても黙認。市民が涼を求めて、プールや海に殺到しており、これを止めることはできない…