京都は国内外から多くの人が訪れる、国際観光都市です。人々を惹きつけるのは、社寺建築や美術工芸、あるいは能や狂言、舞踊など、長い歴史の中で育まれてきた有形・無形の文化的遺産でしょう。そして千年のみやこである京都では、多様な人々を迎え入れてきた、もてなしの心を大切にする茶の湯が発展し、今なお息づいています。茶の湯の原形は、平安時代末頃に中国からもたらされました。鎌倉、南北朝、室町と時代が進むなかで徐々に和様化し、いまや日本文化を象徴するものとして世界で認知されています。現在でも、茶道の家元や茶家の多くが京都を本拠とするように、京都は茶の湯の歴史のなかで、中心的な役割を果たしてきました。本展では、各…