遠田潤子 「人でなしの櫻」遠田さんの新しめの作品が面白そうだったので読んでみました。 主人公の日本画家が絶縁していた父の家に行くと、父は死亡しており家の中には一人の女性がいた。その女性は8歳の時から拉致、監禁されており、10年以上も彼に洗脳されていたため父だけなく主人公たちも「人でなし」の一族と言われるようになった。主人公は嫌悪していた父が所有物に仕立て上げた彼女を一目見た時から絵のモデルにしたいと惹かれており、自分にも人でなしの血が流れていると思い知らされる、というお話。 歪んだ憎悪と愛情をテーマにした作品です。主人公が父を歪んだ憎む心情と、監禁されていた女性に抱く歪な愛情を描いています。そ…