「もしもーし、どした?」 電話の向こうの柔らかい関西弁。 「‥‥廉くん、」 「ん、その感じ・・・また、ホテル行ってたんか」 「んーん・・・家、」 「おーん・・・いえ?家?はぁ?」 「・・・・・・私、何やってんのかなぁ、」 「知らんよ(笑)てか‥‥何しに行ったん、嫁おるんやろ?まだ、」 「居た‥‥と思う、」 廉くんに電話したら、当然の如く叱られるもんだと思った。 叱ってほしかった、何してんねんって、叱ってほしかった。 そしたら、私は「正しい」方へ戻れるんじゃないかと思った。 だけど、廉くんは恐らくゲームをしながら 話半分な感じで「うんうん」と相槌だけは聞こえて。 「‥‥怒らないね、今日」 「怒っ…