人妻は あなわづらはし 東屋の まやのあまりも 馴《な》れじとぞ思ふ 源典侍😘の誘いに対しての源氏の歌🌿 〜人妻は厄介なことです。 東屋の真屋の軒先に立ち馴れぬように、 あなたには あまり馴れ馴れしく親しまないようにしよう。 【第7帖 紅葉賀】 清涼殿の音楽の御遊びの時、 ほかは皆男の殿上役人の中へも加えられて 琵琶の役をするほどの名手であったから、 それが恋に悩みながら弾く絃《いと》の音《ね》には 源氏の心を打つものがあった。 「瓜《うり》作りになりやしなまし」という歌を、 美声ではなやかに歌っているのには少し反感が起こった。 白楽天が聞いたという鄂州《がくしゅう》の女の琵琶も こうした妙味…