■A.マッキンタイア『美徳なき時代』(篠崎栄訳、みすず書房、1993(MacIntyre, A. After Virtue. University of Notre Dame Press, 1984))より引用する。 「‥‥デレク・パーフィットと他の論者は最近、厳密な同一性の規準と人格性の心理的連続性との間の対照に注意を喚起してきた。前者は〈全てか無か〉の事柄であり‥‥演じられる物語での登場人物としての人間にとって決定的なことは、心理的連続性の材料しか所有していないのに、厳密な同一性の負託に応える能力を必要とするという点である。‥‥そうした〈私〉の同一性ー-またはその欠如ー-を自己の心理的連続…