気合のはいった店主たちの味わいあるストーリーも 初めての屋台体験は幼稚園くらいの年だろうか。博多の街である。 私の父は、私を抱いた写真が一枚きりという、とても子離れした男であり、 何事も子供にわかるようにという丁寧なタイプではなかった。映画でいうならジブリ映画のような、子供にはわからないことがあって、それをいちいち大人は説明しなくてもいいというスタンスの男である。 「なぜ」「どうして」という質問に「そのうち分かる」としか答えない、そのような父と夜にネオンの明るさと、人混みと屋台の熱気を感じながら歩くのは下手な家族旅行に行くよりずっと楽しかったのは覚えている。 不思議なものは不思議なままで・・・…