小川洋子『人質の朗読会』 今日は読書の話題。最近読んだ本2冊の感想。 1冊目は小川洋子の『人質の朗読会』。小川洋子の作品を読むのは3冊目だ。以前ブログにも書いた『ことり』がたいへんよかったので、あえて少し間を置いて買ってみたのがこの本。十数年前に書かれた作品だ。 話はまず、海外で起きた日本人のツアー客の反政府ゲリラによる誘拐事件から始まる。ツアーに参加した8人は人質となるのだが、現地の軍とゲリラの銃撃戦のため、全員死亡してしまう。ショッキングな形で終わった事件だが、2年後になり、人質たちが収容されていた猟師小屋から録音テープが見つかり、彼ら彼女らが自ら書いた物語を朗読し合っていたことが分かる。…