つくったのが人間なのかどうか、誰にも見分けがつかなくなっていた。 かくして流行ったのが、人間の匂いを判定するサービスだった。 レポート、コード、議事録、デザイン案。 ただアップロードするだけで、どれくらい人間の匂いが残っているかを数値で返してくれる。 たしか、最初は戯れのようなサービスだったらしい。 それが、思ったより流行った。 世に出回るものは、どれもよくできていた。 文章は読みやすかった。 コードはきれいだった。 議事録は要点がまとまっていた。 ただ、どれも少しだけ、誰もいない部屋のようだった。 明るくて、清潔で、必要なものは揃っている。 でも、人が暮らしていた気配がない。 判定器は、それ…