こんばんは、紫栞です。今回は京極夏彦さんの『今昔百鬼拾遺 鬼』(こんじゃくひゃっきしゅうい おに)をご紹介。 あらすじ「あ――そう、鬼の因縁だとか云っていました」昭和29年3月、駒沢野球場周辺では「昭和の辻斬り事件」と呼ばれる日本刀を使った連続通り魔事件が発生。容疑者は捕まり、事件は収束に向かっていたが、最後の七人目の被害者・片倉ハル子は殺害される以前から学院の後輩だった呉美由紀に「先祖代代、片倉家の女は斬り殺される定めだ」と云い、自らの“女が斬り殺される家系”を畏れていたらしい。 自分が被害者になることを予見していたかのような生前のハル子の発言に疑問を持った呉美由紀から事件の相談を受けた「奇…