希望を抱かないことは愚かなことだ、と老人は思った。(99頁) It is silly not to hope, he thought. ヘミングウェイの『老人と海』を読み返したのは20年ぶりぐらいだろうか。と書きながら、『老人と海』はもしかすると初めて英語で読み通した本のうちの一冊で、邦訳は読んだことがなかったかもしれない。 というわけで、もしかすると初めてかもしれない邦訳での読了となったのだけれど、プロットの大筋は記憶どおりではあったけれど、細部については「そうだったっけ」という印象が強い。 キューバの老いた漁師がひとりで漁に出て、大物のマグロと三日三晩格闘し、とうとう仕留めるものの、寄港す…