~ 追憶 産業医 津葦キリコ ~ 音を立てないようそっと部屋の鍵を開けると あの客がベッドに横たわって居り 気持ちよさそうに寝息を立てて居た… さっき送迎の人に言われた通り トカレフを両手で構えて 絶対に外さぬよう 銃口が密着する寸前まで接近し 引き金に 力を込める… 左膝を打ち抜くと… どうやら客は目を覚ましてしまったようなので 右膝も打ち抜き 左肩と右肩も 続けて打ち抜いた… 銃口をくちに入れて 「あやまれ」 そう言った…… でも… そう言っても客は… 何も言わなかった…… 仕方が無いので私は 引き金が動かないよう注意して トカレフのグリップでくちを殴りつけながら 「あやまれ」 と 言い続…