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仙台七夕まつり

(一般)
せんだいたなばたまつり

仙台七夕まつりは、仙台では“たなばたさん”と呼ばれ、市民から大変親しまれているおまつりです。
東北三大まつりのひとつでもある仙台七夕まつりは、毎年8月6日から3日間開催され、全国から毎年200万人を超える観光客が訪れる、まさに全国随一の七夕まつりです。
豪華さを誇る現在の観光七夕の形になったのは、実は昭和に入ってから。もともとは各家ごとに行われる、仙台市民の素朴でつつましい祭りでした。

 古代中国で始まった七夕は、牽牛星と織女星が年に一度天の川で出会う星祭り伝説と、はた織りや裁縫、習字などの上達を願う「乞巧奠」という儀礼が一緒になった行事です。
 奈良時代頃、日本にも伝わり宮中行事として行われるようになりました。その後、武家、民間に広がり、笹竹に短冊、色紙、吹き流しという七夕飾りの基本形として定着していきました。
 外来の中国語「七夕」を「たなばた」と日本語読みしているのは、豊作を祈って神に捧げる神衣を織る棚機津女に由来します。 
 
 藩祖伊達政宗公は“子女の技芸”が上達するようと七夕を奨励したとされ、次第に民間でも年中行事化していきました。1873(明治6)年の五節句廃止後は全国的には七夕衰微に向かう中、仙台七夕は家ごとに守られていったのです。
 新暦後も仙台七夕は旧暦の7月6日・7日に行われました(新暦のひと月遅れの8月6日・7日に行われたのは1910(明治43)年以降のこと)。旧暦7月7日はお盆の準備に入る前盆の行事日とされ、また、この時期は稲の開花期であったことから、豊作を祈った日でもありました。このように、仙台七夕は古来より農業やお盆と深く関わってきたことが、独自の七夕を形成してきたと言ってよいでしょう。
 また、仙台では学校などで七夕を“教育行事の一つ”として取り入れられ、それが一家をあげての祭りとして継承されてきたことが特徴的です。
 朝顔、茄子、魚などの七夕の仕掛物は、全国でも類のないユニークな仙台独特の飾り物です。1889(明治22)年の新聞には、竹飾りの他に仕掛け物もつくられていて、肴町、国分町、常盤丁 などが盛大であったことが記されています。
 1923年(大正12)年の関東大震災後の不景気を乗り切るため、商店街では連合大売出しが企画されました。従来の七夕にはなかった“商店街の七夕”が登場しました。1926(大正15)年には、東一番丁、新伝馬町(現中央通り)、国分町、南町通、大町五丁目等の商店街が、連合大売出しを企画しました。

 1928(昭和3)年、不景気で衰微に傾く七夕の復興をめざして「第1回全市七夕飾り付けコンクール」が行われました。その後、七夕は年毎に盛大になり、第5回開催の1932(昭和7)年では、当時の仙台市の人口20万人に対し七夕の人出は15万人を数え、全国に仙台七夕の名をとどろかせました。“観光七夕”がクローズアップされてくるのもこの頃です。
 その後、太平洋戦争下では七夕は次第に自粛の方向へ進み、1939(昭和14)年、残念ながら仙台七夕まつりは開催の中断を余儀なくされました。

 戦後、1946(昭和21)年の8月6日・7日の両日、東一番丁に10年ぶりの竹飾り52本が立てられました。戦後七夕の復興です。当時の新聞には「涙の出る程懐かしい十年ぶりの七夕祭」との見出しが踊りました。
 翌、1947(昭和22)年は昭和天皇行幸を奉祝し、繁華街から天皇一行の宿舎となった伊達家別邸まで、5千本の七夕飾りの華やかなトンネルができました。この年から飾り付けの審査が再開され、仙台七夕は見事に復活したのです。
 1948(昭和23)年からは8月6日〜8日まで3日間開催され、以来今日まで続いております。1949(昭和24)年、仙台七夕祭協賛会結成。1953(昭和28)年からはミス七夕コンテストをはじめ、写真コンクールなどを実施。1972(昭和47)年には動く七夕が行われ、絢爛豪華な“一大イベントの七夕祭り”となっていきました。

 仙台七夕まつりは近年益々豪華になってきています。竹飾りも新しい趣向を凝らし、時流に合った飾り付けも登場しています。
 しかし仙台七夕は、絢爛豪華な飾り付けばかりが特徴ではありません。仙台伝統の七つ飾りがどの竹飾りにも下げられていることや、本物の和紙で作られる手作りの七夕飾りなど、400年間続く仙台七夕の良き伝統が現代にもきちんと守られております。仙台七夕まつりは新しい試みを加えつつ、仙台の誇れる文化として次世代へと継承されていくことでしょう。

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