翻訳家、評論家、アンソロジスト。1942年生まれ。 浅倉久志と並ぶ、日本最強のSF翻訳家。 『SFマガジン』誌上に連載していたSFスキャナーにおいて多くの海外SFを日本に紹介。(翻訳活動も含めた)後の日本のSFシーンに多大な影響を与える。 また、カート・ヴォネガットの翻訳に際して採用した文体は、村上春樹にも影響を与えたといわれる。 一時、活動を休止していたが、1996年に『アインシュタイン交点』(サミュエル・R・ディレイニー)の出版で復活。
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毎週日曜日は、この一週間に書評に取り上げられた本を紹介しています。(書評の内容については各誌をご覧ください。) 今週の書評本 ◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆朝日新聞: 5/7 朝刊 23 冊 古寺巡 和辻哲郎 ちくま学芸文庫 1,320死者の書 折口信夫 角川ソフィア文庫 1,012火定 澤田瞳子 PHP文芸文庫 968鹿男あをによし 万城目学 幻冬舎文庫 755ランボー怒りの改新(「満月と近鉄」所収) 前野ひろみち 角川文庫 704橋のない川(一) 住井すゑ 新潮文庫 1,045言語学バーリ・トゥード Round 1…
夕空 昨日、夕空に三日月が出ていたので写真を撮ったところ、肉眼では気付かなかった星がいくつか映っていて、水星も混じっていました。 右下から水星、アルデバラン、ベテルギュース。 astronomy.com ALGOL は写っていません。 月の地球照も美しい穏やかな夕べでした。 Numerical Methods of Mathematical Optimization: With ALGOL and FORTRAN Programs (Computer science and applied mathematics) (English Edition)作者:Künzi, Hans P.,Tzsc…
新潟の余韻にぼーっと浸っているうちに、水戸の自然は季節の歩みを加速させていました。 アミガサタケ。 キノコです。と言っても通常のキノコ型のものとは少し分類の違う子嚢菌類のキノコです。まあキノコはキノコなんだけど。 欧米では人気の春キノコで、人々は連れだって春の野でこれを探すとやら。イタリアで「モルケッタ」フランスでは「モリーユ」と呼ばれ、食材としてポピュラーなものでそうです。 特別なうまみ成分を含んでいて、バター焼きにすると絶品、病みつきになるほど美味なキノコです。ただ日本ではこの不気味な姿が災い(幸い)して採る人はあまりいません。私も、持ち帰ったところで家族に気持ち悪がられるだけなので写真だ…
ご覧いただきありがとうございます。今回は、レイ・ブラッドベリ氏の「華氏451度」の読書感想です。 レイ・ブラッドベリ氏の代表作です。1966年に「華氏451」のタイトルで映画化もされています。映画化と言えば、マイケル・ムーア監督がブッシュ政権批判のために制作した映画「華氏911」を思い出してしまいますね。ブラッドペリ側とムーア側でひと悶着あったようですけど。 最初、宇野利泰氏の訳書を手に取ったのですが読みづらかったので、伊藤典夫氏の新訳版を改めて読みました。本の所持が禁止されている社会が舞台です。情報は映像と音声ばかり。本が発見されれば、昇火士(消火士ではないですよ)が本を焼き払います。 始皇…
最近、車で聞くようになったのがきっかけで、ポッドキャストを聞くようになった。車の運転中のほか、洗濯物を取り込んだり干しているとき、コーヒーを淹れているときなどに聞いている。 いまのところほぼCOTEN RADIOを古い方から辿ってるだけなんだけど、他にもちょいちょい物色していて聞く時間を増やしたい。そう思っていたらなぜ風呂で聞いていなかったのかと思い至った。風呂にスマホやKindleを持ち込む人はいるらしいが、ぼくはそういう習慣がなくて風呂ではぼーっと考え事をしている。 防水アイテムはもってないがとりあえず持ち込んで見たりしたが、普通に不便でほとんど聞けなかった。 いまのところアイデアとしては…
久しぶりにKindle洋書の激安本がいくつかあったので紹介します。あくまでこの記事を書いている時点の情報なのでご注意ください。
極私的回顧第26弾は海外SFについてのまとめです。作品によってはファンタジー・幻想文学など他ジャンルに配したものがあります。また、いつものお断りですが、テキスト作成のために『SFが読みたい!』およびamazonほか各種レビューを参照しております。
★★★☆☆ あらすじ 直方体の謎の物体モノリスの登場により目覚ましく進化した人類は、新たに月に現れたモノリスに導かれるように土星を目指す。 感想 先日久しぶりに映画の「2001年宇宙の旅」を見て、やっぱりよく分からないなとモヤモヤする部分があったので、この小説版を手に取ってみた。ちなみにこの小説は、映画の原作でもノベライズ版でもなく、映画と同時進行で書かれたものだ。だから映画とのコラボ作、競作小説とでも呼べばいいのだろうか。最終的には映画が先に完成し、小説との間で内容が食い違う部分がいくつかある。 読んでみると、映画ではよく分からなかった部分が、そういう事だったのかとはっきりとわかるようになる…
今週のお題「わたしのコレクション」 カート・ヴォネガット、1922年11月11日に生まれ、 2007年4月11日に亡くなったアメリカの小説家です。7作目まではカート・ヴォネガット・ジュニアという名で小説を発表していました。 カート・ヴォネガットは長編作品を14作発表しています。日本ではハヤカワ文庫(SF)で読むことができます。 僕のコレクションは、ハヤカワ文庫(SF)から出たカート・ヴォネガットの小説14冊です。 僕のカート・ヴォネガットコレクション 僕のカート・ヴォネガット体験は、高校3年生のときに読んだ「スローターハウス5」から始まりました。続いて読んだのが、「タイタンの妖女」、「猫のゆり…
出版社 : 早川書房 「最初の接触」 マレイ・ラインスター「生存者」 ジョン・ウインダム「コモン・タイム」 ジェイムズ・ブリッシュ「キャプテンの娘」 フィリップ・ホセ・ファーマー「宇宙病院」 ジェイムズ・ホワイト「楽園への切符」 デーモン・ナイト「救いの手」 ポール・アンダースン 伊藤典夫さんの翻訳傑作選の第1弾を読んでいなかったが ジョン・ウインダムの名前があったので積んでおいたもの。 読んでみたらジョン・ウィンダムの作品は既読だったが (「時間の種」で「強いものだけ生き残る」という新訳版を読んでいた)、 やはり面白い。 他の作品は多分初読だと思うが、 全体を通して、何を読んでも懐かしい…
2022年に入って2ヶ月が過ぎようとしているけれども、特に何ら真新しいことはなく、平日はほぼ仕事に終始して、休日に死んだように眠り、たまに起きては本を読み、また寝る暮らしをしている。 たまに奮起してお出かけしていて、少し前は角川武蔵野ミュージアムへ行ったりもした。なんといっても松岡正剛の監修のもと、9つの大枠のテーマとその下のいくつもの小テーマに合わせて25,000冊の本を選書し、それらの本が連想ゲームみたいなイメージで配架されているブックストリートが圧巻だった。一生の本読みの時間をあの場所で費やせる。あと、角川出版の本30,000冊が並べられている「本棚劇場」がまるでインターステラーの多次元…
なんとなくカロリーが高い小説が読みたくなって再読。 べスターのほかの作品、例えば「ごきげん目盛り」なんかもそうだったと思うけど、短い言葉を連続させることで迫力を出してテンポを作るスタイルは素晴らしい。あとエスパー同士の会話をビジュアルイメージを絡めて描写しているところ、16章の集団カセクシス法の現実崩壊感もたまらない。ストーリー展開も早く、特に今作は警察と犯人の視点を自在に操って攻撃と防御を繰り返す感じがはらはらさせられる。 むかし読んだときは無理筋な話だったなんて思った記憶があるけど全然そんなことはなかった*1。まあネットで説明が少なくて分かりにくいって言っている人がいたけど、それはたしかに…
ライトノベルの軛から解き放たれた秋山瑞人作品 先日の『龍盤七朝 DRAGONBUSTER 02』で秋山瑞人(あきやまみずひと)の全6作14冊の作品レビューを終えた。しかし、秋山瑞人には文庫に収録されていない作品が二つある。本日この二作についてご紹介したい。 秋山瑞人はこれまで、ライトノベルレーベル(電撃文庫)にしか作品を提供していなかったが、以下の二作はいずれも早川書房の「SFマガジン」誌に掲載されたものである。こちらではライトノベルの制約(美少女や美女、いたいけな少年が登場する必要)を受けていない、本来の?秋山瑞人の世界を堪能することが出来る。もちろんいつもの「秋山節」は健在なので、その点は…
#1ヶ月書くチャレンジ 14日目は#これまでに夢中になったモノやコトです。 私はカート・ヴォネガットの小説に夢中になってました。今でも夢中です。 というわけで今日は、カート・ヴォネガットについて書いていきます。 この記事を読んで、カート・ヴォネガットという小説家を知っていただければうれしいです。また記事の最後では、どの小説から読めばよいかについて私のおすすめを書いていますのでどうぞ最後までご覧くださいませ。 目次 カート・ヴォネガットって誰? 日本での広がり どんな作品がありますか。 何から読んだらよいですか? 私のヴォネガット評 カート・ヴォネガットって誰? ちょうど100年前に生まれたアメ…