前述した三重軌道㈱は1910(明治43)年12月28日に創立総会を開催、取締役筆頭・伊藤小左衛門以下計7名をもって設立された。 しかし、実際に三重軌道㈱八王子線が走る地元・四日市市四郷村の歴史をまとめた冊子『四郷ふるさと史話』(平成11年12月20日初版・発行/四郷地域社会づくり推進委会)P.44「軽便鉄道の敷設」の文中に、 「海外視察をした伊藤製茶部主任伊藤六治郎は、蒸気機関車で物資を運ぶ欧米と、苦力(クーリー=出稼ぎ労働者)の肩だけにたよる東洋の国と、あまりにも荷役作業に差があるのに驚き、村に鉄道が敷けないか、身近な人たちに諮(はか)りました」 という一文がある。 文中に登場する「伊藤製茶…