一条真也です。たった一字に深い意味を秘めている文字は、世界でも漢字だけです。そこには、人のこころを豊かにする言霊が宿っています。その意味を知れば、さらに、こころは豊かになるでしょう。今回の「こころの一字」は、「謝」です。 異色の哲学者として多くの指導者を教えた中村天風は、「ありがとう」という気持ちを持ち続けていれば、不平、不満、怒り、怖れ、悲しみは自然に消えてなくなると述べました。そして、「とにかく、まずはじめに感謝してしまえ」とも教えました。わたしたちは感謝すべき出来事があって、その後に感謝するのが普通です。「感謝を先にしろ」といわれても、なかなかできるものではありません。でも、天風によれば…