古事記や日本書紀を読むと、日本という国の成り立ちを描いた壮大な物語が展開されます。その中心にいるのが、創造の役割を担った男女の神・伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)です。とりわけ伊邪那美は、「この国を生んだ母」であると同時に、「死と冥界を司る女神」という二面性を持つ、非常に興味深い存在です。本記事では、伊邪那美の歩んだ神話的ストーリーや、その後の日本文化への影響を深掘りしていきます。 1.国生みと神生みの物語 物語の始まりは、高天原にいた神々が、若い男女の神である伊邪那岐と伊邪那美に「まだ形の定まらぬ大地を整えよ」と命じたところから始まります。二柱は天の沼矛を使って海をかき混ぜ、そこか…