車庫に着くと、グレート義太夫に似た上司が俺を見掛けると嬉しそうに寄ってきた。 その上司は、事務所でスナック菓子をアテに何本か安酒を呑んでから帰る。 俺は、その上司が好きだったので、いつもその晩酌(?)に付き合っていた。 暑い日や仕事に対して充実感がある日だと、その時間は俺にも楽しみとなっていた。 しかし、俺はリュックを背負い、自転車を解錠し、直ぐに帰る意志を示した。 「え?今日もすぐ帰るの?何か寂しいじゃん」 グレート義太夫な目ではあるが、目に寂しさを浮かべながら上司は訴える。 「色々忙しくて、すみません」 「忙しいって何してるのよ?」 「まぁ、ちょっと勉強というか……」 俺は夜にインプットと…