序文・職責を全う 堀口尚次 佐久間勉(つとむ)〈明治12年-明治43年〉は、大日本帝国海軍軍人。最終階級は大尉。艇長として事故で殉職し、修身科教科書にも掲載された。滋賀県三方郡前川村〈現:福井県三方上中郡若狭町北前川〉出身。第六潜水艇が訓練中に事故を起こし、乗組員14人全員が殉職した。 殉職した乗組員は、ほぼ全員が自身の持ち場を離れずに死亡しており、持ち場以外にいた乗組員も修繕に力を尽くしていた。佐久間自身は、艇内にガスが充満して死期が迫る中、潜望鏡より入る微かな光の中で小さな手帳に、明治天皇に艇の喪失と部下の死を謝罪し、続いてこの事故が潜水艇発展の妨げにならないことを願い、事故原因の分析を記…