佐賀の乱により明治9年に佐賀県は廃止された。その7年後の明治16年5月9日になると、ついに佐賀県は長崎県からの分離独立に成功する。その独立の背景には明治15年の佐賀県復県運動があった。 『佐賀市史』には、長崎県立図書館所蔵の『西海新聞』が引用されており、明治15年2月に原口良輔、松永方一らが独立運動を開始した様子が記されている。そこには復県運動の趣旨書として「佐賀県を復するの議」が掲載されているが、独立運動をどのように正当化しているのか興味深い資料なので、まとめておくこととする。 「佐賀県を復するの議」 独立の論拠① 農工商の衰退 回顧すれば明治9年、我佐賀県を廃し三潴県に合し已にして又再び遠…