国際人権規範について話しだ。いや,テーマとされるのは,なぜ,国家の支配者は,やがて自分の首が絞まるような国際人権に賛同し,批准した条約の遵守義務と向き合わざるを得なくなっちゃうような「空虚な約束のパラドックス」に陥ってしまうのか,だ。 それは,冷戦期を通じて,相手を批判する際,調子に乗って,つい立派なこと言ってしまい,いいカッコしいな態度を取ってしまうからだ。批判のためのセリフだから,やがて,コッチに降りかかってくることなんて考えない。誰もが賛同を得るような,相手を黙らせるようなカッコいいこと言いたい。しかし,そうした国際社会での物言いが国内問題に向かう時,刃になって襲ってくる。 日本社会は,…