私が学生時代に手元に置き,特に障がいのあるといわれる子供と関わるときに欠かさず読んでいた書籍の紹介です。「障碍児心理学ものがたり 小さな秩序系の記録Ⅰ(著者:中野尚彦)」という本です。著者の中野先生は一人ひとりの子供について,具体的に語ることのできる先生です。 この本の中から,私の好きなエピソードを一つ抜粋します。 水遊びが好きな子がいて盛んに水遊びをする。毎日毎日,ホースで教室へ水をばらまいたりする。どうしていいか分からない。たまにある時,水場でコップにダーッと水を入れて,入れては捨て,入れては捨て,くり返し長い間やっていた。 彼は必ず水道栓をいっぱいにひねって出す。せめて少し出すようにしよ…